過去8回に渡り、川崎病患者の追跡調査を実施し、論文にまとめ公表した。今回は9回目の川崎病既往者追跡で、観察終了日を2017年末日としている。法務署の許可の元に対象者の本籍地市町村へ対象者の戸籍抄本を請求し、転籍が確認できれば新たに法務省に許可申請し、転籍地への市町村から新たな戸籍抄本を入手し、最終的には対象者の生死の確認ができる戸籍抄本の入手までこの作業をくりかえす。 得られた情報を元に,対象集団の観察開始日(川崎病で医療機関を受診した初日)から観察終了日(2017年末日)までの死亡率を、人口動態統計で示されたわが国全体の死亡率と比較し、対象集団の死亡率が一般人口と比較して高いか否かの検討を行う。この際に、、年齢、観察暦年の調整を行う。具体的には人口動態統計から性・年齢・暦年ごとに死亡率を計算し、これを対象集団の当該性・年齢・暦年の観察人口に乗じて期待死亡数(expected number of death)を求め、その合計をこの集団全体・観察期間全体の期待死亡数とする。 この集団の観察期間の実際の死亡数(観察死亡数、observed numnber of death)との比(O/E比)を算出し、これを観察集団の死亡に関する相対危険とする。偶然性の評価はO/E比の95%信頼区間(95% CI)の算出で行った。 対象者全員(不明者30人を除く)について戸籍による生死の確認が終了し、死亡診断書による死因の確認も行った。人口動態統計を利用して観察集団とわが国の人口動態統計上の死亡率の比較を行った。
|