研究課題
基盤研究(B)
大豆イソフラボンの腸内代謝産物であるエクオールの動脈硬化抑制作用などを検討するのが本研究の目的であった。コロナ感染拡大のため女性のデータ整備が遅れているが、男性約1000名の測定が完了し、大動脈硬化との関連につき2編の英文論文を発表した。その結果、エクオール産生能を有する男性は有さない男性に比べて大動脈の動脈硬化が進んでいなかったが、40歳代ではこの関係は弱まった。今後は、他の動脈硬化指標や腸内細菌、認知脳などとの関連についても検証する予定である。
循環器疾患の予防・疫学
エクオールはサプルメントとして既に我が国で女性を主なターゲットとして販売されている。エクオールの動脈硬化予防作用が示されれば、今後健康増進に役立つ可能性がある。しかしながら本研究は観察研究でありランダム化比較研究ではない。そのため「効果の証明」は本研究からは不可能である。このような限界を謙虚に自覚し、今後とも慎重な解析と結果の解釈を進めて行く必要がある。