研究課題/領域番号 |
18H03051
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
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研究分担者 |
大類 真嗣 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (50589918)
中山 健夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (70217933)
渡邊 清高 帝京大学, 医学部, 准教授 (80422301)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 原発事故 / メディア / 放射線 / ヘルスリテラシー / 不安 / 福島 / ソーシャルキャピタル |
研究実績の概要 |
当初、予定していた「福島県の住民を対象とにした質問紙調査については、その質問項目、質問内容を決める上で重要と考えたメディアドクター研究会でのメディアドクター指標を用いた「メディア等による放射能(放射線)に関する報道とその『健康影響』に関する検証が十分にできなかったことがあり、残念ながら実施ができなかった。 今年度の研究活動としては、メディア等による放射能(放射線)に関する報道とその「健康影響」、また、リスクコミュニケーション、福島第一原子力発電所事故等に関する情報収集、文献調査を中心として行った。 また、研究分担者、専門家等との議論の中で、3年前に実施した福島県民を対象とした「健康と情報についての調査」と概ね同様の調査を実施することが確認された。これは、3年間の変化を明らかにすることで、どのような要因がその変化に寄与したかを検証するためである。また、福島県の調査以外に、福島県以外の住民の「健康への放射線の影響不安」や「福島で放射線による健康影響の不安はあると思うか。」といった見方を調査する必要があるのではかという結論に至った。対照群としての位置づけになる地域としては、福島県に近接している地域がその比較対象としては、適切であろうという考えから、関東圏がその候補になった。これは、福島県民はもちろん、福島県外の国民にどのように「正しい情報」が伝わっているのか、また、伝わっていない場合にはその理由を明らかにすることが、今後の適切な対策を構築する上で重要であるとの認識からである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の調査として予定していた「福島県の住民を対象とにした質問紙調査」については、メディアドクター研究会での検討を踏まえた質問項目、質問内容の決定ができない中で、実施を断念することになったが、その代わりに、メディア等による放射能(放射線)に関する報道とその「健康影響」、また、リスクコミュニケーション、福島第一原子力発電所事故等に関する情報収集、文献調査を精力的に行った。それらを基盤として、研究者・専門家間で調査計画の見直しを行い、対照群(関東圏)を設定するという計画の変更に至ったことは、結果的に、より良い調査計画になったと考えられる。 従って、当初の研究計画に合った質問紙調査を実施できなかったことは、極めて残念であるが、次年度の調査をより有効、かつ、妥当な調査とするような計画変更の検討ができた点で、結果的に、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の遂行上、特に、大きな問題はないと考える。 今後は、メディアドクター研究会での検証、及び、情報収集等を通じて、質問紙調査の質問項目、質問内容の精査をする。
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