認知症の発生要因と新規の予知診断マーカーに関する15年目前向き追跡研究

2020 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18H03052
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
• 研究機関: 京都府立医科大学
• 研究代表者: 栗山 長門 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60405264)
• 研究分担者: 渡辺 能行 京都先端科学大学, 健康医療学部, 教授 (00191809) ; 尾崎 悦子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00438219) ; 渡邉 功 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10636525) ; 近藤 正樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20315964) ; 松井 大輔 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20613566) ; 水野 敏樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30264782) ; 小山 晃英 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40711362) ; 山田 惠 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80315960) ; 上原 里程 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90276999)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 認知症 / 予知診断マーカー / 認知症検診 / 15年目前向き追跡研究

研究成果の概要

本研究は、2003年より追跡調査をしている469名(74.8歳)のコホート集団を対象とした脳ドック検診を、15年目の2018～2020年に実施して、頭部MRI変化を有する認知症群を同定し、認知症の新規リスクを明らかにできたことである。今までに横断研究として報告した認知症の新規マーカー、および腸内細菌叢測定や、脳MRI容量解析も導入し、併せて横断的に検討した。216名の調査を完了し、血管作動性MR-proADMが、早期の認知機能低下の鋭敏な指標であること、身体機能低下症が（血管性）認知症をもたらすことなどを新たに見出した。現在、投稿中の論文もあり、更なる多面的な情報発信を予定している。

自由記述の分野

疫学、予防医学、認知症、老年学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の位置づけは、15年間にわたるユニークな認知症研究の集大成として、上記対象者を、intensiveに追跡しており、わが国固有の認知症の背景およびリスク因子に迫れたことである。そして、認知症群の臨床情報を解析し、新しい認知症検診(脳ドック)モデルの提案をすることができた。
具体的には、血管作動性MR-proADMは、認知機能低下の鋭敏な指標であること、血管性認知症では新規マーカーを介して骨量減少を認めること、身体機能低下が、さらなる認知症をもたらすことなどを新たに見出した。これら新知見は、学会発表や論文の準備を行っている。今後、得られた成果は、解析出来次第、順次更なる情報発信を予定している。