研究課題
本研究は、地域住民コホートにおいて、個人の遺伝子やタンパク質などの情報を基に最適な予防法を提示して介入する「個別化予防・先制医療」の実現を最終目的として行った。近年急速な増加が社会問題となっている要介護の原因である脳血管疾患や認知症、心疾患、糖尿病について、目的①として、共通発症基盤である酸化ストレス・血管内皮機能障害・インスリン抵抗性に関する鋭敏な予知マーカーを細胞外小胞を主ターゲットとして開発し、目的②として、遺伝子と食品(栄養素)との相互関連に着目し、遺伝子型により栄養素の効果が影響を受けるニュートリジェネティクス、栄養素により遺伝子発現が影響を受けるニュートリジェノミクスの概念を応用して予知マーカーとの関連を評価し、得られた結果を総合的に解析し、目的③として、住民健診に適用できる遺伝子型パネルも合わせて開発し、個人に合った効果的な予防法を提示することで、個別化予防・先制医療の実現をめざした。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、追跡調査ができない、海外生産の試薬が入手できない等の困難があり、大幅に研究の進行が遅れた。主ターゲットである「脳血管疾患・心疾患・糖尿病」「アルツハイマー型認知症」の共通発症基盤である「内皮機能障害」「インスリン抵抗性」「酸化ストレス」に関連するマーカーを測定し、主に酸化ストレスと細胞外小胞の関連が明らかになりつつある。また、動脈硬化に抑制的に作用することが報告されている栄養素の効果に影響を与える遺伝子型も明らかになりつつあり、今後の研究発展につながる成果を得た。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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