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2019 年度 実績報告書

出生コホート研究による大気汚染が小児期の喘息・アレルギー発症に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18H03060
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

島 正之  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)

研究分担者 大谷 成人  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10561772)
澤木 潤子  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60441268)
余田 佳子  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80748434)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード出生コホート研究 / 大気汚染 / 喘息 / アレルギー / 小児
研究実績の概要

兵庫県尼崎市で実施している出生コホート研究「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に参加している約4,900人の子どもを対象として、胎児期及び乳幼児における大気汚染物質への曝露量を個人毎に推計するため、調査地域内及び近隣地区の大気環境測定局における微小粒子状物質(PM2.5)、浮遊粒子状物質(SPM)及び二酸化窒素(NO2)等の大気汚染物質濃度を収集し、推計方法について基礎的検討を行った。また、参加者のうち251名を対象とした詳細調査において、子どもが1歳6か月時、3歳時に実施した居住環境の測定結果と近隣の大気環境濃度の結果を比較し、居住家屋の屋外濃度は大気測定局における濃度との間に強い相関があることを確認した。
エコチル調査の詳細調査に参加している子どものアレルギー病態の評価として、2019年度は6歳児129名を対象に血清総IgEと気道炎症の指標である呼気一酸化窒素(FeNO)濃度を測定した。その結果、107名(82.9%)についてFeNOの有効な結果を得ることができ、FeNOの幾何平均値は10.8ppb(95%信頼区間:9.6-12.1)であり、気道炎症が疑われる36ppb以上のものは7名(6.5%)、中程度の20~35ppbのものは16名(15.0%)、気道炎症がないと考えられる20ppb未満のものは84名(78.5%)であった。また、118名については早朝尿を採取し、アラキドン酸代謝産物であるLeukotriene E4 (LTE4)、好酸球の活性化及び脱顆粒の指標であるEosinophil derived neurotoxin (EDN)濃度を測定し、アレルギーの病態の客観的な評価を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2021年4~7月に予定していた検査を実施することができなかった。

今後の研究の推進方策

これまでに実施した検査結果を用いた解析を進めるために、2021年度は補足的な調査を行うととともに、胎児期及び乳幼児における大気汚染物質への曝露量を個人毎に推計して、大気汚染物質への曝露が小児の精神神経系の発達に及ぼす影響を解析する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Estimating historical PM2.5 exposures for three decades (1987?2016) in Japan using measurements of associated air pollutants and land use regression2020

    • 著者名/発表者名
      Araki Shin、Shima Masayuki、Yamamoto Kouhei
    • 雑誌名

      Environmental Pollution

      巻: 263 ページ: 114476~114476

    • DOI

      10.1016/j.envpol.2020.114476

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 大気環境と健康2020

    • 著者名/発表者名
      島 正之
    • 雑誌名

      日本健康医学会雑誌

      巻: 29 ページ: 122~129

    • DOI

      10.20685/kenkouigaku.29.2_122

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 大気環境の健康影響への取り組みから2021

    • 著者名/発表者名
      島 正之
    • 学会等名
      第91回日本衛生学会学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 統計モデルと物理モデルの融合による近畿地方におけるPM 2.5 成分濃度の日単位での推計2020

    • 著者名/発表者名
      荒木 真、嶋寺 光、島 正之
    • 学会等名
      第61回大気環境学会年会

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公開日: 2021-12-27  

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