研究課題
1.培養リンパ管をマウスに移植する実験:リンパ管内皮細胞の培養はできるが,移植できるリンパ管の作製までには達しなかった.2.瘢痕組織はリンパ管再生を阻害しているかの実験:瘢痕組織に毛細リンパ管が形成されることは判明したが,この毛細リンパ管が,切断された集合リンパ管の役割をするリンパ管としての機能はないようであった.切断された集合リンパ管を補完するリンパ管は,瘢痕を迂回するリンパ管迂回路であることが判明した.3.血管内皮細胞増殖因子のAとCを創傷周囲に投与することで創傷治癒が促進するかを検討する実験:この増殖因子の投与で,血管やリンパ管を増殖させることで,創傷治癒が促進するかどうかを検討したが,投与しない場合と大差はなかった.しかしながら,増殖因子の量を変化させた実験を行っていないので,増殖因子による明確な創傷治癒効果は不明であった.逆に,創傷治癒に及ぼすリンパ管の影響をみるために,リンパ管形成を抑制するMAZ51を皮下投与した場合に,創傷治癒は,対照群と比較して治癒遅延は見られないようであるという論文を発表した.4.ラットの体壁の集合リンパ管の走行とリンパ節と集合リンパ管切除後にリンパ管迂回路が形成されてリンパ浮腫が抑制されることを明らかにしたので,論文として発表した.5.その他として,新方法で発生させた常温プラズマが2型糖尿病マウスの皮膚創傷へ及ぼす治癒効果を検討したところ,対照群と比較して有意な治癒効果が認められたので,論文投稿を行った.海外の研究者との共同研究でも,常温プラズマとアロエ抽出物そして常温プラズマとアカザカズラの抽出物を用いると創傷治癒が促進されるという2篇の論文を発表した.さらに,2型糖尿病マウスの皮膚創傷に直接エストロゲンを塗布することで,治癒が促進されるメカニズムを研究し,遺伝子発現の変化がみられることを示した論文を発表した..
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 備考 (1件)
形態・機能
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https://wmn.w3.kanazawa-u.ac.jp