研究課題/領域番号 |
18H03074
|
研究機関 | 東都大学 |
研究代表者 |
太田 勝正 東都大学, 研究センター, 教授 (60194156)
|
研究分担者 |
八尋 道子 佐久大学, 看護学部, 教授 (10326100)
滝沢 美世志 名古屋学芸大学, 看護学部, 講師 (20736269)
夏目 美貴子 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (60434578)
山田 聡子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (80285238)
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 道徳的感受性 / 看護学生 / 看護教育 / 倫理的問題 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス蔓延に伴い、年度当初から8月までに予定した複数教育課程でのプログラムの試行、教育プログラムの実用性に関する意見交換を目的としたセミナーの開催、および、看護倫理の国際学会での演題発表ができなくなったため、予算の繰越を伴う計画変更を検討したが、8月以前のこれらの研究計画の変更を伴う予算の繰越申請が認められなかった。そのため、この間の研究の遅れを(1)前年度の実施の研究データの再解析、(2)授業形態が変更された遠隔授業を通じての試行、(3)収集した文献、図書を参考にした効果的な教育方法の検討などによって補うとともに、(4)現行の看護倫理関連授業と臨地実習の前後での学生の道徳的感受性の変化についての調査を行うことで、今まで得られた知見の検証を行った。データの再解析の結果、先行研究で開発した道徳的感受性尺度看護学生版第2版の信頼性が再確認され、授業を通じての学生の道徳的感受性の変化を客観的に捉える有用なツールであることが確認され、上記の調査で活用するとともに、翌年度の研究においても客観的評価ツールとして採用することとした。 また、本研究のテーマである道徳観の基盤が形成されていく中学生世代に注目した調査結果の解析から、「ケアの本質」や「ケアは誰によって行われるものか」など5つのテーマ(カテゴリー)が抽出された。この中で、人のために尽くすことを善とする道徳観の基盤が中学生にもきちんと形成されていることが明らかになった。この成果は、道徳観の形成、道徳的感受性の育成に有用な知見を与えると考える。 その他に、看護倫理の国際学会での発表はできなくなったが、日本看護倫理学会や日本看護研究学会において演題発表や交流集会の開催を行った。2021年度に開催される学会への演題登録も行うとともに、成果の論文化(英語、日本語)にも取り組んでいる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年3月からの新型コロナウイルス蔓延に伴う授業方式の変更(遠隔授業や登校制限)にともなうプログラム試行の中止、多人数の催し物の開催制限による教育プログラムの普及と実用性について検討するためのセミナーの開催中止、県をまたぐ移動の制限による研究メンバー相互の教育プログラム支援の困難、そして国際学会での発表については、海外渡航の禁止による学会の延期が主な理由である。 そのような2020年度前半を乗り越え、後期授業からの道徳的感受性育成のめのプログラムの試行を計画し、可能な範囲で今までの成果の検証ための調査なども行ったが、秋ごろからの第3波の新型コロナウイルス蔓延により、研究全体としては遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要にも触れたように、2020年度前半までの研究および研究成果発表について、計画変更を含む2021年度への予算の繰越を計画したが認められなかった。そのため、それらの遅れについては、2019年度の研究成果を2021年度の研究に繋げられるように再解析などを行ってきた。 それでも遅れが生じている教育プログラムの普及と実効性の検討については、新型コロナウイルス蔓延がまだ継続することを想定して、対面型からweb発信型へと方法を変更することで当初の成果を目指す予定である。そのためのオンラインプラットフォームの検討を進める。 その他、研究メンバー相互の支援(応援)なしで個々の分担研究者による看護倫理関連授業への研究成果の反映とその成果の検証を行うことで、道徳的感受性育成たのめの効果的な教育プログラムの検討を進めるなど、新型コロナウイルス蔓延下においても可能な研究を推進する予定である。
|