本研究は、研究者らが大分県および大分県看護協会と協力し、保健所保健師が二次医療圏ごとに運営する看護の地域ネットワークを基盤に看護管理者のピアサポートによる能力開発に取り組み、1)看護管理者の能力向上、2)臨地現場の看護管理の向上、3)看護管理者のネットワークの強化について明らかにすることを目的とした。 本年度は、プログラムの最終評価に向けて研究を実施した。プログラムは、令和元年度に引き続き、豊後高田地域で2年目の活動を実施した。さらに、新たな地域の参加者を募集し、国東地域と宇佐中津地域でプログラムを行った。次世代を担う看護管理者にもプログラムへの参加を呼びかけ、現役と次世代のトップマネージャーが共に看護管理の能力を高められるようにした。各地域のプログラムの参加者は、10~30名程度と地域によって異なり、人数の多い地域は小グループに分けてプログラムを実施した。各地域のプログラムは、新型コロナウィルスの感染状況が比較的、安定している時期を選び、2~3月に1回程度グループセッションを行った。 いずれの地域も参加者がグループセッションを通して看護管理の能力を高め、現場の看護管理を改善できるように実施した。グループセッションのテーマや内容は、参加者が決定し、看護管理に関する現状分析等を含めて参加者間で共有した。主なテーマは、スタッフの育成や次世代の看護管理者の育成、医療機関と在宅の事業所等の地域連携構築、看護の質向上や業務改善に関するテーマ等であった。各地域の支援には認定看護管理者や研究者が支援者として参加し、毎回セッションに同席、参加者へアドバイスを行った。参加者は、看護管理の新たな視点や考えを学び、理解を深めていた。最終的に、参加者が、職場の看護管理について課題解決に向けた計画を立案し改善に取り組むことで成果に繋げることができた。
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