本研究では1)手指衛生、2)呼吸器感染、3)耐性菌、4)その他の各サーベイランスを活用して、5年間に8つの研究項目を行った。最終年度である令和4年度は以下のように実施した。 1)手指衛生サーベイランス:令和3年度までに「看護師の手指衛生に関する組織風土尺度」を開発し学術誌に発表しWEB公開をした。令和4年度は看護師の手指衛生ロールモデル尺度開発研究のとりまとめを行った。 2)呼吸器感染サーベイランス:当初の計画では、食道がん患者の「せん妄」と「術後肺炎」の関連を明らかにし、「せん妄」ケアを考慮した「術後肺炎防止プロ グラム」を開発する予定であったが、食道がん患者の「せん妄」は「術後肺炎」の原因になる可能性が低いことが判明しブログラム開発以降の計画を中止して次の研究項目に移行した。令和3年度までに重症心身障害児施設における呼吸器感染症防止プログラムの有効性と経済性の調査を行い成果の一部を海外の学術誌に論文発表した。結核ケアに関する調査成果の一部を学会発表した。令和4年度はこれらの研究成果とともに大腿骨頸部骨折患者の術後肺炎防止ケアバンドルに関する調査の成果のとりまとめを行った(米国学術誌査読中)。 3)耐性菌サーベイランス:令和3年度までに薬剤耐性緑膿菌ST357株について検討し学術学会で発表した。また、また、高齢者施設における薬剤耐性菌対策に関する調査の成果を学術誌に論文発表した。令和4年度は、ベッドサイド看護師の薬剤耐性菌対策に関する調査の成果を米国学術誌に論文発表した。 4)その他のサーベイランス:令和3年度までに針刺し切創サーベイランスに関する研究の結果を学会発表した。令和4年度は、拡大蝶形骨手術後の髄膜炎サーベイランスに関する研究、個人防護具(PPE)着用プロセスサーベイランスに関する研究の成果を取りまとめた(後者は英文誌査読中)。
|