研究課題
【目的】がん患者の価値観を可視化するアプリのユーザビリティを評価すること。【方法】1.協力者:がん患者43名、2.期間:2022年6月~10月、3.調査内容:アプリ上で価値観に関する質問(11項目)への回答(選択肢)を促し、価値観の特徴を判定結果として表示する。その後、Web Usability Scale(WUS:21項目、5段階尺度)および自由記述を用いた質問紙調査を行い評価した。【結果】1.協力者の概要:男性5名、女性38名、年齢59±13.1歳、2.WUS:7項目の平均(標準偏差)は、好感度2.77±1.01、役立ち度2.45±1.06、信頼性3.15±0.90、操作の分かり易さ3.92±0.89、構成の分かり易さ3.53±0.96、見やすさ2.77±1.22、反応の良さ2.57±1.34。3.アプリの使用感に関する自由記載:今の自分の心の動きがわかる、自分の価値観に偏りがあることに気づく、家族と話すきっかけとなるなど、アプリを通して価値観を可視化することによる一定の効果がみられた。しかし、複数の選択肢から1つを選択することが難しい、複雑な気持ちを表現することができない、判定結果を医療者と共有し価値観を固定化されてしまうのには抵抗があるなど、アプリよりもケアの方が適している集団が存在することも明らかとなった。【考察】WUSにおいて「好感度」「反応のよさ」の2因子については良い評価が得られたなかった。自由記載では、患者が複雑な気持ちを整理できていない場合にはアプリの使用は難しいことが課題として示された。また、アプリの使用意図について十分なオリエンテーションが必要であることが示唆された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件)
J Palliat Med
巻: 26(4) ページ: 462-463
10.1089/jpm.2023.0030.
J Pain Symptom Manage.
巻: 64(6) ページ: 602-613
10.1016/j.jpainsymman.2022.09.005.
Ann Palliat Med.
巻: 11(11) ページ: 3426-3435
10.21037/apm-22-772.