研究課題/領域番号 |
18H03096
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
野間口 千香穂 宮崎大学, 医学部, 教授 (40237871)
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研究分担者 |
西田 みゆき 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (00352691)
林 亮 順天堂大学, 保健看護学部, 助教 (10712763)
仁尾 かおり 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50392410)
及川 郁子 東京家政大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (90185174)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 慢性疾患児 / 自立支援 / 療養支援 / 小児期 / 親 / 看護療養支援システム / 看護師 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、慢性疾患児の自立に向けた療養支援モデルの臨床適用のための学習支援プログラムの内容と方法を検討するために、看護実践の実態と学習意欲に関連する要因を明らかにすることを目的として、全国の小児医療総合施設、小児科を標榜する大学病院および国公立病院の小児病棟、小児科外来に勤務する看護師を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。質問項目は、①対象者の基本情報(看護師経験年数、小児看護経験年数、最終学歴、卒後資格、配属先、配属希望の有無、病棟の種類、施設の種類、職位)、②ARCSモデルにもとづく学習意欲(慢性疾患児の自立に向けた療養支援に対する注意;Attention、関連性;Relevance、自信;Confidence、満足感;Satisfactionの13項目4件法)、③自立度確認シートをもとに作成した実践項目(親40項目、子ども37項目、該当なしを含む5件法)とした。研究者所属機関の倫理委員会の承認を得て実施した。 67施設416名に配布し、164名から回答が得られた(回収率39.4%)。ARCSの注意、関連性、自信、満足感のうち、関連性の項目が低く、自立支援を行うことの必要性をを認識し、学習意欲はあるものの知識やスキルを十分に活用できていないことが考えられた。ARCS合計得点は、小児経験年数、配属希望の有無、病棟の種類による差が認められた。また、自立に向けた看護実践状況として「該当なし」の回答がなかった89名を分析した結果、子どものへの支援と親への支援ともに75~90%が実施しており、子どもへの支援よりも親への支援のほうが低い傾向があり、子どもの発達段階があがると低くなっていた。また、看護師の配属先希望の有無、配属先、病棟の形態により実践状況に差異が認められた。 プログラムには集合教育で実践場面設定による討議を取り入れて、その後のフォローアップを含める必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、子どもの自立に向けた療養支援における看護師の学習ニーズ調査を終えて、学会発表の準備をしている。また、この結果をもとに研修プログラムの作成、研究計画立案を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、看護師が慢性疾患児の自立にむけた療養支援を小児期を通して行えるように、複数の病院の協力を得て、看護師に対して開発した学習支援プログラムによる教育を行って、その評価を行う計画である。学習支援プログラムの講師やファシリテーターには小児看護専門看護師に研究協力者として参加を依頼しており、それによって学習支援プログラムの均質化を図る。 また、本研究では看護療養支援システムの構築を目指しているため、現在計画中の学習支援プログラムにおける組織や関連機関への波及効果に対する評価を検討してく必要がある。
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