研究課題/領域番号 |
18H03101
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
飯尾 美沙 関東学院大学, 看護学部, 講師 (50709011)
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研究分担者 |
宮地 裕美子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, アレルギーセンター, 医師 (00771560)
永田 真弓 関東学院大学, 看護学部, 教授 (40294558)
山本 貴和子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生体防御系内科部, 医師研究員 (40725115)
成田 雅美 東京都立小児総合医療センター(臨床研究部), なし, 医長 (70313129)
大矢 幸弘 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生体防御系内科部, 医長 (80392512)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ぜんそく / テイラー化 / 小児 / アプリ / 患者教育 |
研究実績の概要 |
2019年度は、開発途中の小児喘息のテイラー化患者教育アプリを、外来通院している0~満12歳の持続型喘息患児とその保護者に試用してもらい、小児喘息アプリに対するニーズおよびアプリの改善点を調査した。研究対象候補者に電話連絡を行ない、外来受診日に診察前後の時間でのアプリの試用およびインタビュー調査への協力を依頼し、仮同意および調査開始前に同意が得られた患児・保護者27組を対象とした。開発途中のアプリが入った携帯電話端末を患児・保護者に手渡し、試用後にアプリの良かった点、改善点などについて半構造化面接を実施した。面接内容をコード化・意味内容に合わせてカテゴリー化し、テーマ分析を実施した。 研究参加者の内訳は、アプリが子どもの発達段階に応じた内容になっていることから未就学児10組、学童前期9組、学童後期8組であった。子どもの性別は男児18名、女児9名であり、喘息発症年齢は0~2歳が52%、3~5歳が33%であった。保護者の続柄は、母親25名、父親1名であり(きょうだい参加あり)、保護者の年代は40代が最も多かった。 乳幼児期の患児・保護者を対象としたアプリの良かった点(25コード)は、【喘息知識の再確認】【子ども・保護者の相互作用】【デザイン】【子どもの興味】の4テーマに集約された。学童期の患児・保護者を対象としたアプリの良かった点(50コード)は、【新しい喘息知識の獲得】【まんが】【子どもの興味】【自己管理のきっかけ】【デザイン・操作性】の5テーマに集約された。 アプリのニーズ(214コード)は、【喘息知識】【継続するのための要素・内容】【ユニバーサルデザイン】【通知】【モニタリング】【機能】の6テーマに集約された。これらの調査結果を踏まえ、アプリ内容を改良・修正し、フィージビリティスタディに向けてアプリを仮完成させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試作段階のアプリを用いてニーズ調査を実施し、その調査結果を踏まえてアプリを改良開発した。現在、アプリの最終確認中である。フィージビリティスタディ実施に向けた倫理申請については承認が得られ、UMIN臨床試験登録が完了している。今後は、アプリのフィージビリティを評価する介入研究を実施する予定であることから、概ね計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、開発した小児喘息のテイラー化患者教育アプリのフィージビリティを評価する多施設共同介入研究を実施する。フィージビリティスタディの対象者は外来通院している0~満12歳の持続型喘息の患児およびその保護者である。さらにアプリのリリースを想定し、様々な対象者によるフィージビリティを評価する目的で、医療機関の種類を考慮した多施設共同介入研究(7施設)とする。 しかし、今後の研究実施において、対象者が慢性疾患である喘息患児とその保護者であること、および医療機関(小児専門病院・大学病院・総合病院・クリニックの計7施設)で実施する研究であることから、COVID-19の流行・収束状況によっては、研究が計画通りに進展しない可能性(医療機関での研究実施自体が難しい、もしくは対象者のリクルートが難しいなど)が懸念される。
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