研究課題/領域番号 |
18H03102
|
研究機関 | 人間環境大学 |
研究代表者 |
高田 律美 人間環境大学, 松山看護学部, 教授 (20515803)
|
研究分担者 |
伊藤 一統 宇部フロンティア大学短期大学部, その他部局等, 教授 (20300452)
上西 孝明 人間環境大学, 松山看護学部, 講師 (50648590)
檜垣 高史 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (60253308)
岡 靖哲 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60419025)
松原 圭一 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (80263937)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 乳幼児突然死 / ハイリスク / 睡眠 / 母子 / 母乳育児 / 予防 |
研究実績の概要 |
昨年に引き続き,研究代表者・研究分担者の関連施設にて,正常妊娠とハイリスク妊娠(母親の精神疾患,児の心疾患・脳機能障害)それぞれをリクルートし,妊婦の睡眠評価バッテリとして成人睡眠チェックリスト(Adult Sleep Checklist: ASC)を使用して,睡眠習慣と睡眠障害についての調査を継続している.生理学的指標として,妊婦検診時の自律神経データを収集しており,現在解析を進めている.また児の状態としては愛媛大学のNICU(必要に応じて新生児室)の児を対象に,生後1週以内の脳波記録を予定していたが,新型コロナウイルス感染症の影響で,同施設での研究は引き続き中断している状態である. 前年度実施した,地域周産期センタ-にてNICUに出生直後から母子分離された母親を対象に,乳幼児突然死(SIDS)の発生率低減に寄与するとされている母乳育児について,病院の実情に合わせてセルフケア介入できるプログラムの構築とパンフレットの作成,これを用いた介入研究を行うための心理評価バッテリ(精神評価調査票,エジンバラ産後うつ病質問票(産後うつ病の評価),母子の愛着の形成尺度,退院後のSIDS予防のための睡眠環境のパンフレットの準備を継続し,その効果の測定を施設の研究協力者に依頼して今年度末まで調査を進めた. 地域におけるエビデンスにつながるデ-タを補強するための情報収集として,新聞の全国紙4紙を対象に2009年以降の乳幼児突然死等に関する記事の収集を継続している.現在,新聞記事の解析結果をふまえて,地域で活動する保育士のSIDSの観察点と自宅で子育て中の母親のSIDSに対する認識の相違をもとにマニュアルの作成を準備中である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者・研究分担者の関連施設にて,正常妊娠とハイリスク妊娠の睡眠評価バッテリとしての成人睡眠チェックリスト(AdultSleep Checklist: ASC)による睡眠習慣と睡眠障害について回答,および自律神経測定結果を得て,その成果の一部をすでに研究会にて発表しており,論文を取りまとめているところである.現時点で睡眠障害として介入が必要な妊婦がいないため,腕装着型のアクチグラムによる客観的な睡眠覚醒データの記録を予定していたが,新型コロナウイルス感染症下で同意が得られなかった.状況が改善するまでは計画通りに調査を行うことは難しいが,今後も継続して進めていく予定である.また児の状態としては,愛媛大学のNICUの児を対象に脳波・心電図データの計測をプレテストとして実施しており.新型コロナ感染症の終息を待ってハイリスク児のデータを収集していく予定である. 地域周産期センターにおけるSIDSの発生率低減への取り組みとしての母乳育児セルフケアパンフレットの作成はすでに完了し,これを用いた介入研究を行った.この周産期センターにおいては,新型コロナウイルス感染症に関する対応で調査が困難な状況もあったが,研究協力者の協力を得てデ-タ収集を完了した. 地域におけるエビデンスにつながるデ-タを補強するため,全国紙における乳幼児突然死等に関する記事をさらに引き続き収集しており,解析を継続している.
|
今後の研究の推進方策 |
地域周産期センタ-におけるSIDS発生低減への介入として“母乳育児セルフケアおよび子どもへの睡眠環境調整”プログラムデータ収集を終了したため,結果の評価・解析を行う. また,保育を行っているベビ-シッタ-や子育て支援施設の保育者及び養育者に,SIDSに関連した事項についてハイリスク児に対する観察や睡眠環境に関連する調査を予定している.これらの現状に鑑み,SIDS予防に向けての保健指導マニュアルの作成を行う予定である.
|