研究課題/領域番号 |
18H03105
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮崎 美砂子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80239392)
|
研究分担者 |
鈴木 悟子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (10780512)
飯野 理恵 千葉大学, 大学院看護学研究科, 講師 (40513958)
石丸 美奈 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70326114)
坂井 文乃 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70835321)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 地域看護 / 予防活動 / 実践ガイド / 持続 |
研究実績の概要 |
本研究は、自治体の保健師が実務を通して予防活動の持続・発展に対する自らの実践能力を高めていくために必要な体系的なOJT(On the Job Training)の開発とその実用化を目的としている。申請者らが先行研究において開発してきた“予防活動の持続・発展のための地域看護実践ガイド(以下ガイド)”を保健師の経験年数、担当業務の種別を超えて、実践現場において日常的に活用可能なものとなるよう汎用性を高めることを目指している。昨年度は、自治体の健康づくり部門や保健活動部門において、本ガイドをOJTとして現場適用するワークブックを作成し、その取組事例を収集することにより、予防活動の持続・発展及びOJTへの成果を確認した。本年度は、子育て総合相談部門、高齢者福祉部門、国保部門といった、福祉や保険等の保健部門以外の保健師の多様な実践現場(以下多様現場)において、本ガイドをOJTとして現場適用し、予防活動の持続・発展及びOJTに対する本ガイドの汎用性の検証に必要な事例の収集を目標とした。以下の手順により調査を進めた。1.ガイドの多様現場適用に対する研究枠組の精錬、2.ガイドの多様現場適用に向けた改訂プログラム(経時調査のためのプロトコル)の作成、3.多様現場における経時調査において媒体として用いるワークブックの精錬、4.協力自治体(5自治体)における経時調査の実施(3か月)、5.評価のためのヒアリング(実務保健師及びその上司にあたる保健師のペアそれぞれを対象に、プログラム実施前、中間、実施直後、2か月後の各時点で聴取を実施)を行った。本年度に収集した多様職場への本ガイド適用事例の検証から、本ガイドは多様職場において予防的な視野で活動を持続・発展させるうえでOJTとして活用できることが確認できた。令和2年度の研究成果は日本地域看護学会第24回学術集会にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、協力自治体が繁忙となり、計画していた経時調査及び評価のヒアリングは翌年度にも半年間、継続延長した。年度内においては中間成果をワークブックVer2として整理し、その後の継続延長期間において、ワークブックVer3を作成し、令和3年度計画の成果を形にすることができた。進捗としては6か月遅れであるが期待する成果は得られている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度の成果として、実践ガイドの現場での活用をOJTとしての意味を付加し、現場で活用しやすいワークブックとして改訂を重ね最終的にVer3を作成したことである。本研究の最終年度にあたる令和3年度は、これまでの本研究期間中に収集した調査事例資料を、予防活動の持続・発展という観点からOJTとその推進に必要な条件について体系的に整理を行う。具体的には以下の内容を進める。1.収集した実践ガイドの活用事例(保健活動部門及びその他の福祉等多様部門)の検討、2.実践ガイドをOJTとして自律して効果的に活用するために必要な条件(組織の活動指針、職場環境、Off-JT等)の検討、3.上記の整理に対する管理期・統括等保健師へのフォーカスグループインタビューによる意見聴取、4.予防活動の持続・発展という観点から求められるOJTの体系的な整理、5.予防活動の持続・発展を志向したOJTの開発、である。なお新型コロナウイルス感染症の蔓延状況により、管理期・統括等保健師の調査への参加協力が得られにくいことも予測される。調査方法を対面に限定せずオンラインによるグループインタビュー方法も検討し進める。
|