研究課題/領域番号 |
18H03111
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野口 緑 大阪大学, 医学系研究科, 招へい准教授 (20719322)
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研究分担者 |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
服部 聡 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50425154)
西連地 利己 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70453404)
斉藤 功 大分大学, 医学部, 教授 (90253781)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 保健指導効果 / 重症化予防 / AIツール / 循環器疾患発症抑制 / データ収集ツール作成 / 受療行動促進モデル / 保健指導介入優先度判定 |
研究実績の概要 |
(1)「受療行動促進モデル」による保健指導の長期効果(脳心血管疾患、糖尿病合併症の発症抑制への貢献効果)の検証 本研究の目的の一つである「生活習慣病重症化予防のための保健指導の効果検証研究(J-HARP研究)(2014年~2017年度)」で明らかとなった「受療行動促進モデル」による保健指導の脳心血管疾患等の発症抑制への貢献効果の検証を昨年度より継続し、J-HARP研究対象者のJ-HARP研究終了後の健診及びレセプトデータの収集を続けている。昨年度より引き続き、J-HARP研究参加自治体を対象に、本研究の目的や内容を理解いただく説明会の開催や自治体訪問を通じて、研究対象者データの収集の協力依頼を行った。また、健診結果及びレセプトデータの収集のためのツールを作成し、それを用いて、研究対象データの収集を行った。収集開始可能な自治体から順次収集を始めた。 (2)AIにより保健指導支援ツールの開発 昨年度に引き続き、受療行動促進モデルによる保健指導を効果的にするための支援ツールの開発を行うため、健診受信者のリスク評価を行うためのツールの検討、及び、既存データを用いて、保健指導介入による循環器疾患発症確立の抑制効果の評価方法の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)「受療行動促進モデル」による保健指導の長期効果(脳心血管疾患、糖尿病合併症の発症抑制への貢献効果)の検証 J-HARP研究参加43自治体を対象にした研究説明会を、大阪、仙台、福岡の3か所で開催し、J-HARP研究結果及びその意義、さらに、本研究が各自治体における健康寿命の延伸、並びに医療費適正化効果に貢献しようとするものであることを説明し、昨年度に引き続き研究への協力を依頼した。 データ収集に関しては、各自治体との契約を順次進め、研究参加自治体において、研究に必要な既存の健診結果及びレセプトデータの整備が進み、昨年度開発した研究データを収集するためのツールを利用し、自治体において、研究対象データの匿名化処理を行い、ツールが正確に稼働することを確認した。 収集開始可能な自治体から順次収集を始めた。また、エンドポイントの判定のためのプロコトールの開発判定支援ツールの開発を始めた。 (2)AIによる保健指導支援ツールの開発 保健指導介入の優先度判定に関する基本的な考え方を整理し、昨年度作成した簡易版のツールを用い、既存研究で明らかになっている脳心血管疾患発症予測モデルを用いて、保健指導介入による評価の方策について検討を行った。また、学習データのデータ定義、離散化内容の再検討を行った。構造方程式モデリングによるリスク因子間とリスク因子エンドポイントとの関連モデルを作成した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)「受療行動促進モデル」による保健指導の長期効果(脳心血管疾患、糖尿病合併症の発症抑制への貢献効果)の検証 開発したツールを用いて、研究対象データの第2次収集を開始し、脳心血管疾患、並びに、糖尿病合併症の発症が疑われるデータについては、昨年度に引き続きエンドポイントの判定を行う予定である。 (2)AIによる保健指導支援ツールの開発 学習データを用いて、保健指導の有無と発症予測との関係を検証するとともに、リスク因子の相互関連やバイオマーカー以外のリスク因子の抽出などを昨年に引き続き行う予定である。
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