研究課題/領域番号 |
18H03118
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
森本 明子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (90710377)
|
研究分担者 |
杉本 吉恵 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (40280185)
大野 ゆう子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60183026)
籏持 知恵子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (70279917)
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (90364033)
園田 奈央 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (00640153)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 労働因子 / 職域コホート研究 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
2018年をベースラインとし、2019年と2020年の2年間追跡した縦断的なデータセットを作成した。今年度は、主に労働因子と身体面の関連及び、労働因子と心理面の関連の検討を実施した。 労働因子と身体面の関連について、労働因子(勤務日の生活習慣を含む)とメタボリック症候群との関連を検討した。メタボリック症候群は国際糖尿病連合(IDF)の診断基準を用いて判定した。性、年齢、教育歴、喫煙歴等の交絡因子を調整した多変量ロジスティック回帰分析の結果、「深夜帯労働あり」、「勤務中の食事速度が速い」、「勤務中の座位時間が長い」はメタボリック症候群のリスクを上昇させた。 労働因子と心理面の関連について、知覚ストレスに強く関連する労働因子を検討した。知覚ストレスは知覚されたストレス尺度(Perceived Stress Scale)日本語版で評価した。決定木ベースの機械学習モデルを用いて知覚ストレスに強く関連する労働因子を検討した結果、JCQ(Job Content Questionnaire)で評価した「仕事の要求度」が最も強く関連しており、次いで、JCQで評価した「同僚からの支援」、「ワークライフバランス」、「業務内容」、「心理的安全性」、JCQで評価した「上司からの支援」が関連していた。 また、本研究の論文(Sonoda N, et al. Work-related, personal, and diabetes-related factors relevant to dropout from outpatient diabetes treatment visits among Japanese male employees with diabetes. Diabetology International, 2020)がSpringer NatureのWorld Diabetes Day(世界糖尿病デー)のwebサイトで紹介された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、2018年をベースラインとし、2019年と2020年の2年間追跡した縦断的なデータセットを作成した。加えて、検討課題の分析を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、縦断的なデータセットで解析を行い、研究成果の公表や新戦略構築を行う。特に、ベースライン調査及びその後2年間の追跡から、糖尿病をもつ労働者における身体面(腎機能の低下、血糖値及びHbA1c値の上昇、血圧値の上昇、血清脂質値の上昇、肥満度や腹囲の上昇、等)に影響する要因(労働因子、行動面の要因、心理面の要因)を多変量解析で明らかにする。加えて、境界型糖尿病または耐糖能正常の労働者における身体面(糖尿病発症、血糖値及びHbA1c値の上昇、血圧値の上昇、血清脂質値の上昇、肥満度や腹囲の上昇、等)に影響する要因(労働因子、行動面の要因、心理面の要因)を多変量解析で明らかにする。そして、得られた知見を論文等で公表する。
|