研究課題/領域番号 |
18H03121
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
山田 律子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (70285542)
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研究分担者 |
柴本 勇 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (30458418)
千葉 由美 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (10313256)
池田 学 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60284395)
浦上 克哉 鳥取大学, 医学部, 教授 (30213507)
平野 浩彦 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10271561)
武部 久美子 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (60439495)
会田 薫子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任教授 (40507810)
會田 英紀 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (10301011)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 認知症の原因疾患 / 高齢者 / 摂食嚥下障害 / 予防プログラム / 多職種連携 / 嚥下能力測定機器 |
研究実績の概要 |
2018年度の研究目的は、「認知症高齢者の摂食嚥下障害に対する原因疾患別予防プログラム(案)」を作成すると共に、分担研究者の柴本教授が開発した嚥下能力測定機器を認知症高齢者に対して適用するためのプロトコールを作成することであった。 先ず「認知症高齢者の摂食嚥下障害に対する原因疾患別予防プログラム(案)の作成」では、国内外の文献レビューを行うとともに、摂食嚥下プロセス(5期モデル)に基づく同予防プログラム(案)について多職種からなる有識者会議による検討を行った。さらに、効果的な「原因疾患別予防プログラム」を構築することを目的として、前向きコホート研究を行った。すなわち、本研究への協力が得られた高齢者介護施設4施設において、本研究への参加に同意が得られた70名(平均年齢:86.0歳±6.7歳、男/女:12/58名)を対象に、認知機能・口腔機能・栄養状態の経時的変化についての前向き調査を開始し、現在、2回目(3カ月後)の評価中である。 「嚥下能力測定機器を認知症高齢者に使用するためのプロトコールの作成」では、「嚥下能力測定機器」(特願2016-229661)の開発者でもある柴本教授を中心に有識者会議を開催して機器自体の改良を加え、改良した「嚥下能力測定機器」を関東および北海道で計2台購入した。なお、本機器の使用方法について柴本教授から研究者たちが説明を受けて測定を試みる中で、新たな課題が見出された。すなわち、認知症高齢者に対する調査を実施するに先立って、これまでの研究者たちの知見や経験をもとに認知症の原因疾患別特性を踏まえて協議を重ね、認知症高齢者の嚥下能力測定のためのプロトコールを新たに作成している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の「研究目的1」である「認知症高齢者の摂食嚥下障害に対する原因疾患別予防プログラム(案)の作成」については、当初の研究計画どおりに、国内外の文献レビューや学会・研究会、前向きコホート研究、多職種からなる有識者会議による認知症高齢者の摂食嚥下障害に対する原因疾患別の予防プログラム(案)を検討した現状を鑑み、「順調に進展している」と判断した。 当該年度の「研究目的2」である「嚥下能力測定機器を認知症高齢者に使用するためのプロトコールの作成」ついては、今年度は有識者会議を重ねた。このことによって先ず、研究の倫理的配慮の観点から、認知症の原因疾患別の高齢者に対して「嚥下能力測定機器」を用いた調査を行う前に本機器自体の改良を加えた。さらに本研究課題に精通している多職種から構成された研究組織ゆえの協議によって、新たな課題も見えてきたことから、まずは専門家会議で可能なところまでプロトコールを作成した上で、次年度に実施する認知症高齢者への使用を考慮し、プロトコールを改良することとした。これら2点の改良はプロトコール作成に向けた重要なプロセスであると考えられ、本研究は「おおむね順調に進展している」と判断した。 以上のことから、現在までの本研究課題の進捗状況について「(2)おおむね順調に進展している」と総合評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、2018年度に作成した「認知症高齢者の摂食下障害に対する原因疾患別予防プログラム(案)」に基づいて「pretest-posttest design」による研究を行うこととする。加えて、2020年度のランダム化比較試験(randomized controlled trial : RCT)の実施に向けて、「認知症高齢者の摂食嚥下障害に効果的な原因疾患別予防プログラム」を再検討することとする。なお、2018年度は嚥下能力測定機器の改良と、有識者によるプロトコールの検討に時間を要したことから、「原因疾患別予防プログラム(案))の実施に先駆けて、「認知症高齢者に嚥下能力測定機器を適用するためのプロトコールの作成」に向けた研究を引き続き実施する予定である。
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