研究課題/領域番号 |
18H03129
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒木 裕士 京都大学, 医学研究科, 教授 (20170110)
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研究分担者 |
伊藤 明良 京都大学, 医学研究科, 助教 (50762134)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 再生医学 / トレッドミル / 末梢神経 |
研究実績の概要 |
iPS細胞等を用いる再生医療では細胞を患者に移植する新たな時代が来る。そこでは細胞が生体に生着、順応、機能分化することが必須であり、基礎研究から臨床研究に至るまでの「移植再生医療リハビリテーション」は不可欠である。移植前には、移植しようとする細胞の環境を制御するリハビリテーション、ならびに移植後には、移植した細胞が生体内で生着、順応、機能分化することを促すリハビリテーションが重要である。 本研究課題では、基礎研究の視点から、「移植再生医療リハビリテーション」を創設、提案、開発する。物理療法と運動療法を組み合わせるリハビリテーション法を検証し、最も効果的な方法を確立することを目的とする。 そのため2019年度は昨年度に引き続き、末梢神経の再生リハビリテーションについて、動物モデルで超音波照射の影響を検証した。またトレッドミル運動プロトコルを作成した。 坐骨神経挫滅モデルを12週齢ラット18匹に作成し、神経再生における超音波照射の効果(特に運動 機能)を検証する。超音波照射群とSham群に分けた。超音波照射は1MHz、20% duty cycle、5分/回とし、5回/週行った。超音波強度は30mW/cm2(SATA)、140mW/cm2(SATA)および250mW/cm2(SATA)とした。効果検証のための分析は、Sciatic functional index、歩行中の足関節角度(三次元動作解析装置)、下腿三頭筋および前脛骨筋の湿重量、体重、電子顕微鏡、PCR解析によるmRNA測定とした。 現在、得られた結果を解析中である。 この研究に関連する研究資料収集のため、および得られた研究成果を発表するため、国内外の学会等に出席した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の当初計画は、①神経再生リハビリテーションについて、動物モデルで検証すること、②バイオ3Dプリンターを用いて人工神経導管を作成し、物理的刺激との相乗治療効果を検証すること、③R2年度にトレッドミル運動による影響を調べる関係で、R1年度中にトレッドミル運動プロトコルを作成することであった。 ①については、ラット坐骨神経挫滅モデルを作成した。神経再生における超音波照射の抗炎症作用・マクロファージへの影響を検証した。超音波照射設定は、1MHz、20% duty cycle、5分/回、毎日照射、照射強度は140mW/cm2(SATA)とした。効果検証のための分析は、体重、神経組織の凍結切片の免疫組織化学染色、PCR解析によるmRNA測定とした。まず超音波照射強度の確認を行った。超音波照射の強度によって0mW群(擬似照射による対照群)、60mW群、140mW群(強度はそれぞれ空間平均時間平均)に分け、運動機能としてSFI(Sciatic Functional Index)を用いて再生を評価した。60mW群で再生効果がみられたため、0mW群と60mW群においてマクロファージの表現型の変化を比較・解析した。②については人工神経導管を試作し、現在、物理的刺激との相乗治療効果の検証法を検討している。③については、トレッドミル運動プロトコルを作成した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、マクロファージの表現型を解析中である。また3Dプリンタによる検討も進めている。今後もこれらを実施する予定である。
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