以下の【研究1】から【研究2】の実験を行った。 【研究1】坐骨神経挫滅損傷モデルラットを作成して超音波治療時期(損傷後1週間、損傷1週後から1週間、損傷後2週間)を比較した結果、超音波治療を損傷後1週間行った群に比べ、損傷後1週以降に超音波治療を実施した群では髄鞘厚が大きい傾向がみられた。超音波治療による歩行機能回復促進効果は認められなかった。【研究2】坐骨神経挫滅損傷モデルラットに対し、異なる超音波治療期間(損傷後1週間、2週間、4週間)を比較した結果、損傷後1、2、3、4週に実施した歩行機能解析では影響は認められなかった。その一方で足趾運動の再獲得が早まっている傾向がみられた。【研究3】挫滅させた坐骨神経の中枢部と末梢部を繋ぐ人工神経導管を3Dプリンターで作成できないか検討した結果、導管作成で重要となる細胞生存率を一層向上させる必要があることが判明した。【研究4】坐骨神経挫滅損傷モデルラットとは別に、膝関節圧迫によるモデルラットの作成を新たに行い、変形性膝関節症が生じることを確認した。この新規作成ラットへの運動介入も行った。 課題に関連する研究資料収集および成果発表のため、主としてオンラインおよびオンデマンドで学会等に出席した。また当初から現地発表予定であった国際シンポジウム開催がCOVID-19の影響で1年延期となったことから本課題を2022年度に一部繰越し、同シンポジウムで4名が各筆頭者として成果を発表した。
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