研究課題/領域番号 |
18H03134
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
佐藤 大輔 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60544393)
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研究分担者 |
小島 翔 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (10780330)
山代 幸哉 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (20570782)
大鶴 直史 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (50586542)
丸山 敦夫 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80117548)
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 求心性抑制 / 大脳基底核 / コリン作動系 / 浸水 |
研究実績の概要 |
2019年度は,大脳基底核コリン作動系を賦活させる至適浸水条件の探索に関する実験を実施した.健常成人男女15名を対象に,浸水中および前後のコリン作動系を経頭蓋磁気刺激と末梢神経電気刺激を用いた求心性抑制で評価し,一次体性感覚野および大脳基底核のコリン作動系への影響を検証した.介入条件としては,5条件とし,浸水をしないコントロール条件,水温(35℃および42℃)と浸水範囲(腋下および臍下)を組み合わせた4条件とした.その結果,一次体性感覚野および大脳基底核のコリン作動系の活動を反映する求心性抑制であるSAI_N20+2およびSAI_N20+10は,35℃の腋下浸水条件において,浸水後に最も強化された.これは,短いISI(N20+2-4ms)でのSAIが,同様の条件によって,浸水後に高まるという我々の先行研究をサポート・拡張する結果であった.一方で,その他の条件では,浸水後に強化される傾向は認められたものの,有意な変化はには至らなかった.これらの結果から,浸水によって生じるコリン作動系の活動には,個人差が存在する可能性が示された. 2020年度は,大脳基底核コリン作動系を賦活させることが明らかとなった35℃の腋下浸水後に,視覚追従課題を用いた運動学習を実施し,その学習中の技能変化および1日後の定着率を検証することで,コントロール条件と比較して,運動学習能および運動技能の定着が促進されるか否かを検証する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度の目標であった大脳基底核のコリン作動系を活性化させる至適な浸水条件の検証は概ね順調に進行しているが,対象者数が十分ではないため,2019年度の前半期に5名分を加える予定である.2020年度に計画している大脳基底核のコリン作動系を活性化させる至適な浸水による運動学習促進効果の検証についても,倫理委員会の承認および対象者の同意を含めたリクルート,ならびに予備実験も完了しており,直ぐにでも実験を開始できる状況にある.
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の目標であった大脳基底核のコリン作動系を活性化させる至適な浸水条件の検証は順調に進んでおり,2020年度内には20名のデータが整うため,国際誌への投稿を進める.また,2020年度に予定している大脳基底核のコリン作動系を活性化させる至適な浸水による運動学習促進効果の検証については,既に予備実験・対象者のリクルートなどが完了しているため,早急に本実験に入る予定である.
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