研究課題
2020年度は、2018-2019年度に確立した線条体コリン作動性神経の評価指標によって,浸水による学習適応促進効果が予測できるか否かを検証した。健常成人を対象に,1)TMS実験による求心性抑制の計測,2)浸水条件ならびにコントロール条件(非浸水条件)での運動学習実験を実施した。求心性抑制は、電気刺激とTMSの刺激間隔を2~10msに設定した。運動学習には、視覚追従課題を採用し、適応4時間後,1日後,7日後の定着を調べた。浸水介入は15分間、安静状態を維持し、非浸水状態で学習適応および定着の計測を実施した。これまでの研究において、線条体コリン作動性神経を評価する指標になりうる電気刺激とTMSの刺激間隔を10msに設定した求心性抑制の変化と運動学習による学習適応および定着度の関連性を検証したが、両者の間に有意な関連性は認められなかった。本研究において、浸水は、運動学習における適応には影響を与えないものの、技能定着を促進する可能性を見出せたものの、その効果を求心性抑制によって予測することは困難であった。これには、浸水による技能定着強化のメカニズムが極めて複雑で、一つの指標だけで説明のつくものではない可能性を示しているとともに、その個人差が大きいことを踏まえると、強固な結果であると言い切るには今後さらなる検証が必要である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 備考 (1件)
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