研究課題
基盤研究(B)
脳卒中後、グリア細胞の一種であるアストロサイトは反応性アストロサイトになり、運動機能回復に関与すると考えられているが、そのメカニズムは不明な点も多い。本研究では、損傷後、反応性アストロサイトで発現が上昇するクロマチンリモデリング因子Chd7を同定した。アストロサイト特異的Chd7ノックアウトマスを用いた解析から、Chd7は反応性アストロサイトの増殖を制御し、脳卒中後の運動機能回復を抑制することが明らかとなった。
神経科学 リハビリテーション医学
これまで、反応性アストロサイトの増殖を制御しているクロマチンリモデリング因子は報告されていない。本研究で、反応性アストロサイトの増殖を制御するクロマチンリモデリング因子としてChd7が同定され、反応性アストロサイトの増殖のエピジェネティックな制御メカニズムの一端が明らかとなった。Chd7の発現や活性を抑制することができれば、脳卒中後の運動機能回復を促進させられる可能性があり、アストロサイトを標的とした新しい治療薬の開発に繋がることが期待される。