研究課題/領域番号 |
18H03144
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
李 燦雨 筑波大学, 体育系, 助教 (80709197)
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研究分担者 |
松尾 牧則 筑波大学, 体育系, 准教授 (40791398)
村井 友樹 東京理科大学, 理学部第一部教養学科, 助教 (30801154)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 武芸図譜通志 / 武道史 / 東アジア交流史 / 日中韓の武文化 / 文禄の役 |
研究実績の概要 |
本研究は、東アジアに跨る武文化の固有性と相似性の解明に向け、文禄・慶長の役(萬暦朝鮮之役、壬辰倭乱:1592~1598年)を通して披露された日本・中国・韓国武術が、近世東アジアの武文化に与えた影響を実証的に検討することを目的としている。そのために、平成30年度には、以下のような研究活動を行いに、主に日中韓武文化の交流の痕跡を物語る資料を網羅的に検討・収集した。 1.先行研究の検討及び関連資料収集:400年前に起きたアジア最大の戦争であった文禄・慶長の役に関しては、その歴史や波及力の故に多方面で数多くの研究が行われてきた。そのため、多岐にわたり先行研究を含めた文禄・慶長の役に関する膨大な2次史料を検討し、本課題と関連する日本側の史資料の収集に努めた。また、それを基に、文禄・慶長の役にまつわる武に関する1次史料の範囲を絞り、その収集に努めた。 2.史資料の分析:収集した日本側の関連史資料の整理・解読を進めながら、先行研究で言及された既存史料との比較検討を行い、当該戦争に対する全体像の把握に努めながら日韓武文化交流の痕跡を浮き彫りにした。 3.中国側の情報収集及び史料調査:中国のChengdu Sport Universityを訪問し武術専門家や研究者と意見交換しながら情報収集に努め、また、中国における武術研究の現在把握と中国武術に関する史料・情報を収集した。 4.情報収集及び成果発表:体育史学会、日本体育学会、国際体育・スポーツ史学会、筑波大学体育史研究会などの国内・国際学会に参加し研究協力者との情報交換を行い、また、Intenatioanl Society for History of Physical Education and Sport学会の定例Conferenceにて研究成果の一部を発表し、学会会員との意見交換など更なる情報収集に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概ね当初の研究計画通りに先行研究の検討や基礎史料の収集を行ったが、中世アジアの最大の戦争である文禄・慶長の役に対する日中韓の先行研究が予想より膨大で多岐に亘っており、その収集と整理に予想より多くの時間を費やすることとなった。また、中近世史料の解読や他国史料の日本語化とそれを中国・韓国・台湾の研究協力者と共有するのに少し手間取ったが、史料の発掘が核となる本研究においてこれらの活動を通して全体的に当該研究への理解を高め、翌年度以降の更なる史料発掘と日中韓武文化交流の実証に一歩近づけることができたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、現今の日中韓武道文化を特徴づけた近世の武文化の様相を紐解くことを念頭に下記の課題に取り組み、文禄・慶長の役(1592~1598)を通して披露された日中韓武術が、近世東アジアの武文化に与えた影響を明らかにし、東アジアに跨る武文化の固有性と相似性を解明することである。そのために、本年度では昨年度から実施している日中韓の膨大な関連資料の収集・整理に引き続きに努めながら、研究協力者との連携をより堅調にし、具体的武文化交流の端緒を得るため、文禄の役の舞台となった韓国における現地調査を通して新史料発掘を試みる。 具体的には、近世日中韓で刊行された武術伝書を収集・整理・解読して、三国における近世武術の理論的・技術的体系を概観しながら、新史料を掘り起こし武文化交流の実態を探る。日本のみならず研究協力者との連携で韓国・台湾などでの資料調査に力を入れる。得られた一部の成果を基にスペインで開かれる国際学会と台湾で行われる国際学会で発表を行い情報提供を呼び掛ける。さらに、一定の成果が得られた場合、その成果を取りまとめ学会誌に投稿する論文を執筆する。
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