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2020 年度 実績報告書

公共性の歴史社会学的観点からみた民間スポーツ組織の統括性に関する日欧比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18H03145
研究機関筑波大学

研究代表者

菊 幸一  筑波大学, 体育系, 教授 (50195195)

研究分担者 Leitner Katrin  立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (10744906)
笠野 英弘  山梨学院大学, スポーツ科学部, 准教授 (20636518)
清水 紀宏  筑波大学, 体育系, 教授 (50196531)
海老島 均  成城大学, 経済学部, 教授 (60203650)
水上 博司  日本大学, 文理学部, 教授 (90242924)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード公共性 / 歴史社会学 / 民間スポーツ組織 / 統括性 / 日欧比較
研究実績の概要

当初、3年次の計画では、フランス本調査を新たに実施するとともに、2年次の本調査で不十分であったイギリス及び日本の調査を補完的に行う予定であった。その際、世界的な新型コロナウィルス感染によって「2020東京」が1年延期された結果、特に我が国の民間スポーツ組織の統括性がどのように機能したのかについても、新たな課題として検討する予定であった。
しかしながら、新型コロナ禍が収束せず、海外調査を断念せざるを得なかったため、これらの活動を次年度に延長する手続きをとり、令和2年度はもっぱら2年次までの研究成果をまとめて学会発表したり、国内調査で得られた結果に対する理論的な検討と考察を行ったりするに止まる研究活動となった。また、繰り越された研究を含めた成果は、以下のようであった。
令和元年度のイギリスやドイツの予備調査で得られたインタビュー内容と資料収集の結果を踏まえ、前者ではボランタリー組織としてのユース・スポーツ・トラストが民間スポーツ組織だからこそ展開できるイギリス国外への青少年スポーツに関する推進政策の独自性と我が国のそれとの比較考察を行った。また、後者については、国内スポーツ組織が果たす運動部活動問題へのかかわり方や地域スポーツ組織との関係をスポーツ・ガバナンスの課題として取り上げ、その解決策を当事者の熟議やコミュニケーションのあり様に対して、そこで紡がれる公共性とは何かを考察した。その結果、地域スポーツ行政からの要求に一方的に依存する当事者の公共空間が、総合型地域スポーツクラブの創設以後も形成されている実態が明らかとなった。
いずれにしても、令和2年度の研究実績は、繰り越された研究も含めて移動調査活動の制限から、これまでの研究成果を中間的に整理して発表したり、論文化したりするともに、海外調査の内容と方法に関する再検討が中心となる研究活動とならざるを得なかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

先の研究概要でも述べたように、新型コロナ禍が収束しない状況で予定していた国外調査を行うことができず、すべての予定を翌年度に持ち越す事態となり、予定していた予算を来年度に繰り越す手続きを行うとともに、今年度の実質的なインタビュー調査がもっぱらオンラインによる国内インタビューに限定せざるを得なかったためである。
またこのため、これまでの研究成果を中間的な内容として整理し発表する方針に切り替えたが、その内容には、当然のことながら今年度の研究成果が反映されない結果となっており、やや不十分と言わざるを得ない状況になっていると評価されるためでもある。

今後の研究の推進方策

来年度(令和3年度)は、計画上の最終年にあたるため、新型コロナ禍の収束をまってできるだけ早く今年度に予定していたフランスおよびイギリスの本調査を終えるとともに、最終成果の報告書作成までを終える方針である。
また、もし新型コロナ禍がなお収束しなかった場合には、本研究の期間を1年延長しても海外調査を実施する計画でいる。
そのためにも、海外調査の準備を早めて、調査が可能のなった時点で、すぐに対応できるよう準備を進めておきたい。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] スポーツ組織による愛好者の組織化からみたブラジルにおけるサッカーの制度的特徴―渡伯した日本人選手、ブラジル人指導者、ブラジルサッカー連盟へのインタビューから―2021

    • 著者名/発表者名
      笠野英弘
    • 雑誌名

      山梨学院大学スポーツ科学研究

      巻: 4 ページ: 53-67

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 共生社会の実現に向けたスポーツのあり方を問う2020

    • 著者名/発表者名
      菊幸一
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Sport Education Studies

      巻: 40(1) ページ: 83~88

    • DOI

      10.7219/jjses.40.1_83

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 新時代における生涯スポーツとスポーツ推進委員への期待2020

    • 著者名/発表者名
      菊幸一
    • 雑誌名

      みんなのスポーツ

      巻: 42(4) ページ: 12-14

  • [雑誌論文] 日本体育学会における日常的なEvidence Based Sport Policy(EBSP)蓄積に向けた仕組みづくりに関する提言2020

    • 著者名/発表者名
      水上博司,工藤和俊,杉山英人,田邉解,萩裕美子,森丘保典,菊幸一,朝倉雅史
    • 雑誌名

      Taiikugaku kenkyu (Japan Journal of Physical Education, Health and Sport Sciences)

      巻: 65 ページ: R1_1~R1_26

    • DOI

      10.5432/jjpehss.R1_26

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] スポーツの公共形成に向けての民間スポーツ組織の役割に関する研究:イギリスのユース・スポーツ・トラストに着目して2020

    • 著者名/発表者名
      海老島均
    • 雑誌名

      成城大學經濟研究

      巻: 229 ページ: 1-21

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 近代スポーツの成立過程にみる我が国における運動部活動改革の歴史的意義と可能性―「Hirano Club」が行おうとしていること―2021

    • 著者名/発表者名
      菊幸一
    • 学会等名
      「Hirano Club」設立総会記念招待講演
    • 招待講演
  • [学会発表] Liberal Arts としての21世紀スポーツ―身体的ルネッサンスを求めて―2020

    • 著者名/発表者名
      菊幸一
    • 学会等名
      第37回関東地区大学教育研究会基調講演
    • 招待講演
  • [学会発表] Boredom は Sport Wellness の原点か?―新型コロナ禍から気付かされた こと―2020

    • 著者名/発表者名
      菊幸一
    • 学会等名
      SWC政策開発研究センター第2回全体定例会議招待講演
    • 招待講演
  • [学会発表] Challenges of Japanese Sport Organizations for their Sustainable Development2020

    • 著者名/発表者名
      Hidehiro KASANO
    • 学会等名
      The 2020 Yokohama Sport Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] スポーツの公共形成に向けての民間スポーツ組織の役割に関する研 究:イギリスのユース・スポーツ・トラストに着目して2020

    • 著者名/発表者名
      海老島均
    • 学会等名
      日本スポーツ社会学会第29回大会
  • [図書] スポーツの組織的統括性からみたスポーツ人口等実態調査2021

    • 著者名/発表者名
      菊幸一ほか
    • 総ページ数
      348
    • 出版者
      公益財団法人日本スポーツ協会
  • [図書] スポーツクラブの社会学2020

    • 著者名/発表者名
      水上 博司、谷口 勇一、浜田 雄介、迫 俊道、荒井 貞光
    • 総ページ数
      268
    • 出版者
      青弓社
    • ISBN
      978-4-7872-3467-4
  • [図書] 2020東京オリンピック・パラリンピックを社会学する―日本のスポーツ文化は変わるのか―2020

    • 著者名/発表者名
      日本スポーツ社会学会編集企画委員会編
    • 総ページ数
      265
    • 出版者
      創文企画
  • [図書] 大学生のための最新健康・スポーツ科学2020

    • 著者名/発表者名
      日本大学文理学部体育学研究室
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      八千代出版
    • ISBN
      978-4-8429-1770-2

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公開日: 2023-12-25  

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