研究課題/領域番号 |
18H03149
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
近田 彰治 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80598227)
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研究分担者 |
平島 雅也 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 主任研究員 (20541949)
大竹 義人 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (80349563)
佐原 亘 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (80706391)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | MRI / 筋骨格モデル / バイオメカニクス |
研究実績の概要 |
健康成人男性を対象としたデータの蓄積を進め,50名以上を対象として全身のMR画像を収集することができた.これまでは全身MR画像を再構成するために,MR装置のアプリケーションを用いて局所的に撮像された画像をアプリケーション上で対象者毎に結合していく手作業が含まれて時間を要していたが,MR装置のアプリケーションを使わずに自動で結合できるプログラムを作成したことによって,データ収集後の全身MR画像の再構成がすぐに行えるようになり,学習データ(元画像に対応した骨領域を示すラベル画像)の作成にすぐに取り掛かれるようになり,データの蓄積が進んでいる.MR装置の撮像範囲の限界により,左右上肢を含めた全身を一度に撮像することはできないため,全身のMR画像データは各対象者につき3つに分かれた状態である.一つ目は,頭部,体幹部,下肢という身体の中心部の画像が結合された画像,二つ目は左肩から左手部までが結合された左上肢画像,三つ目は右肩から右手部までが結合された右上肢の画像である.現在は身体中心部の画像の解析を中心に進めているが,来年度から左右上肢画像の解析を進める予定である.また,データベース構築に向けて,身体中心部の画像と左右上肢の画像を結合する方法の検討も進めていく必要がある.昨年度から継続して雇用している研究補助者も作業に習熟したため,骨に限らず周囲の筋群についてもラベル画像の作成を試行している.また,ディープラーニングを用いた自動セグメンテーションを試したところ,良好な結果が得られることが確認できた.学習データの高精度及びディープラーニングのパラメータ調整によって,今後の精度向上が見込まれる結果であった.筋骨格シミュレーションモデルについても,MR画像あら得られる解剖学的な構造を反映できるようにシミュレーションモデルが改良され,より実際の人体に近いシミュレーションができる可能性が示唆されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに健康成人男性を対象としたデータを蓄積することができた.また学習データの作成やディープラーニングによる自動セグメンテーションも順調に進んでいる.筋骨格シミュレーションモデルについても,MR画像から得られるリッチな解剖学的構造を反映できるような改良が進められている.
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今後の研究の推進方策 |
健康成人男性を対象としたデータが蓄積されてきたため,ある競技に特化したスポーツ選手や中高齢者のデータを蓄積したと考えているが,新型コロナウイルス感染症の影響により,実験ができない可能性が危惧されている.そのような場合には,既存データの解析を優先的に進め,学習データの高精度化や骨に限らず筋の学習データの作成を進め,より学術的意義の高い筋骨格系の形状データベースを構築できるように研究を進めていく.
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