研究課題
視床下部は自律神経系や内分泌系を司り、生体内のエネルギーバランスを一定に保つためのセットポイントを規定する。視床下部のエネルギー代謝調節システムは、神経細胞レベルでの不可逆的な変化を伴う可能性がある。視床下部の神経幹細胞(hyNSC)は、神経新生に寄与する。それゆえ、視床下部ニューロンに入れ替わりは、生体内のエネルギーバランスのセットポイントに大きく影響する。そこで本研究では、運動によるhyNSCの増殖が視床下部によるエネルギー代謝調節システムを是正すると仮定し、そのメカニズムと生理学的意義の解明を目的とした。今年度は、これまでに行ってきた実験の雌雄差を見ること、ならびに摂取する栄養により変化するかを確認するため、様々な条件で回転かごを用いた自発的な運動トレーニングを用マウスに行わせた。運動中および運動終了後のマウス内側視床下部(hNSC が存在する第三脳室と隣接する部分)を採取した。引き続き、解析を進めていき、すべての結果が出そろったところで論文として投稿する予定である。また、運動トレーニングによる骨格筋の遺伝子発現の変化が、血中代謝産物レベルを変化させ、それらが脳へ直接的に影響を与えている可能性を見出した。この結果は、脳内サイトカインだけでなく、トレーニング筋からの脳への情報伝達である可能性を示唆しており、今後は脳内サイトカインだけでなく、末梢からの影響も視野に入れて解析を行う。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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