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2018 年度 実績報告書

運動学習速度を規定する神経生理学的要因

研究課題

研究課題/領域番号 18H03154
研究機関上武大学

研究代表者

関口 浩文  上武大学, ビジネス情報学部, 教授 (20392201)

研究分担者 門田 宏  高知工科大学, 情報学群, 准教授 (00415366)
河野 豊  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (10392200)
宮崎 真  静岡大学, 情報学部, 教授 (30392202)
牛山 潤一  慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 准教授 (60407137)
野崎 大地  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70360683)
山中 健太郎  昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (90359662)
中澤 公孝  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90360677)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード経頭蓋磁気刺激 / 皮質運動表象 / スポーツ歴
研究実績の概要

初年度,皮質運動表象(皮質マッピング)の同定を行うため,経頭蓋磁気刺激のナビゲーションシステムを導入し,刺激位置,刺激方向等を精度良く規定して刺激できるように準備すると同時に,片手運動における共同筋間および両手協調運動における左右半球間で頭頂(Cz)を中心に左右半球に跨る17×9のグリッド(グリッド間隔15mm)を作成し,同一グリッド内で,共同筋間,左右半球間のマッピングを描画するプロトコルを確立した。現在,データ取得を進めている。
一方で,片手による2ボールジャグリングを運動課題とし,未経験者にこれを250試行練習させ,その総キャッチ数をスポーツ歴との関係を検討した。その結果,種目数とパフォーマンスには関連性が見られなかった。しなしながら,ボールの大きさ(野球,ソフトボール,バスケ,バレー等)や手で扱うか足で扱うか(先述に加え,サッカー)に関わらず,ボール系競技歴の長いヒトほど早く上手くなることが分かった。逆に非ボール系競技歴(水泳,陸上,空手等)とは関連性が見られなかった。さらにボール系競技を開始した年齢との関係性も見られなかった。これらの事から,ボール系競技歴が長いヒトほど,ボールの性質(物体に力を加えた時の軌道予測やタイミングなど)に精通している可能性とそれに身体の動きを合わせることにも精通している可能性が考えられた。そして非ボール系競技歴は,ボール系スキルの獲得には寄与しない可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は,初めての運動でも早く上手くなるヒトとそうではないヒトの違いがどこにあるかを多方面から明らかにすることである。初年度は,大脳における左右半球間および片側半球内共同筋間の皮質運動表象と運動学習速度との関連を検討するため,経頭蓋磁気刺激ナビゲーションシステムの導入とそれによる実験プロトコルの確立を完了し,データ取得を開始している。ナビゲーションシステムはこれまでユーザーからの声によって少しずつ改良されてきているが,研究現場ではその研究内容により必ずしも即利用可能な状態にあるわけではない。そのため,本研究目的達成のために試行錯誤し,メーカーに改良等の依頼を行った。現在は,概ね順調にデータを取得出来ている。その合間を縫って,スポーツ歴と運動学習速度との関係性に関して検討し,有益な結果を得ることができた。現在,英語論文を執筆中であり,今年度前半の出版を目指している。

今後の研究の推進方策

秋までに皮質運動表象に関するデータを取得し終える予定である。同時に共同筋間のシナジーパターンと運動学習速度の関係を検討するべく,その準備を進める。秋以降,シナジーパターンの記録を開始できるよう計画している。この計画では7月に前倒し申請をし,10月に承認されることが必須条件となる。シナジーパターンの記録にはマルチチャネルのアンプ(16chを想定)が必要となるが,2年次配当予算が低いため,研究計画の実現には必須となる。8chアンプを1台購入し,8chは同職場の同僚の同機種アンプを拝借する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Evidence for existence of trunk-limb neural interaction in the corticospinal pathway2018

    • 著者名/発表者名
      Sasaki, A., Milosevic, M., Sekiguchi, H., and Nakazawa, K.
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 668(6) ページ: pp.31-36

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.neulet.2018.01.011

    • 査読あり
  • [学会発表] 運動学習能力に関連した安静時脳活動の検討2019

    • 著者名/発表者名
      坂谷大輔,関口浩文,宮崎真,平島雅也,門田宏
    • 学会等名
      電子情報通信学会2019
  • [学会発表] 時間順序判断におけるベイズ推定の神経基盤 ―経頭蓋磁気刺激による研究―2018

    • 著者名/発表者名
      宮崎真,竹内成生,関口浩文
    • 学会等名
      日本スポーツ心理学会第45回大会
  • [備考] 科学研究費助成事業 基盤研究(B) H30~H33

    • URL

      http://www.mcontrol.org/p/blog-page_22.html

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公開日: 2019-12-27  

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