研究課題
運動が認知症の有効な手段として注目されている。本申請研究は、運動による負の要因として運動に対する脳循環応答を取り上げ、これらの要因が脳循環機能、さらに認知機能にどの様に影響を及ぼすのかを調査、運動と認知機能改善メカニズムに関するパラドックスを明らかにすることを大きな目的としている。最終年である令和2年は、本申請研究の3年目、最終年であり主に研究課題3である運動による活性酸素の脳循環機能及び認知機能に及ぼす影響について調査した。我々の研究グループは、活性酸素の研究で著名な英国南ウエールズ大学と共同研究を行っており、本年度も幾つかの研究をまとめて論文発表を行っているが、高強度インターバル運動と活性酸素及び血管シェアレイトに関する報告を英国生理学雑誌やアメリカ生理学雑誌に報告し重要な指摘をした。また具体的には、本研究において、高強度インターバル運動の活性酸素の産生が一定強度の高強度運動と比較して低値であり、高強度インターバル運動がより認知機能改善に貢献するとの仮説を立てその検証の為の実験を行った。高強度一定負荷運動及びインターバル運動を行い、各運動前後における血漿中チオバルビツール酸反応生成物質(TBARS)値を活性酸素産生の指標として算出した。TBARS値は、一定負荷運動直後、有意に増加する一方、インターバル運動前後では、TBARS値は運動後、わずかに増加する傾向であったが有意な差は観察されなかった。本研究において、同様の仕事量の運動でも運動様式の違いにより、活性酸素の産生が異なることが示され、仮説の妥当性が証明された。また別の研究では、運動様式の違いによる脳血管シェアレイトを測定した。その結果、連続的な運動よりインターバル運動で脳血管シェアレイトが高いことを確かめ、インターバル運動でより内皮機能が亢進する可能性を示唆した。この研究結果は、生理学英雑誌に掲載された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 9件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)
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