研究課題/領域番号 |
18H03158
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
渡邊 航平 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (20630990)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 筋の質 / 筋電図 / 超音波画像 / 骨格筋電気刺激 |
研究実績の概要 |
本研究では、先進的な電気生理学的手法を応用し、「筋の質」を評価する方法を確立し、加齢および運動トレーニングがそれらを含めた筋機能に関連する要因に及ぼす影響を“分離”して評価することを目的としている。この目的を達成するため、昨年度に確立した「筋収縮特性」の評価方法(Tomita, Watanabe et al. Under Review)とこれまで我々の研究室で応用してきた「筋肉量」、「運動神経活動」の定量方法を用いて、様々な年齢の対象者でデータ取得を進めてきた。昨年度に引き続き、これらの測定項目に関するデータベースを作成するため、データ取得を続けた。昨年度50名から得たデータに加えて、今年度は54名を追加し、合計104名分のデータが取得できた(20~39歳が40名、40~65歳が30名、65歳以上が34名)。今後は、このデータを用いて、年齢および最大筋力に対して、各種パラメータがどのように関連するかを定量的に評価する。また、筋力トレーニングが、これらの各種パラメータに及ぼす影響を明らかにするための介入試験も高齢者および若齢者に対して実施した。高齢者では、筋力トレーニングによって「筋肉量」でなく「運動神経活動」が変化することが明らかになった(Watanabe et al. J Gerontl 2019)。一方、若齢者では、高齢者とは違った各種パラメータの変化が生じることが明らかになりつつある(分析中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、若干の遅れがあったが、それを取り戻す形で、今年度は当初の計画通りに進められていた。特に、対象者のリクルートが順調に進んだため、各種試験を円滑に進められたことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までに本研究計画において取得したいと考えていたデータの多くを取得することができている。次年度は、これらのデータを分析するとともに、計測時間に時間がかかる「筋収縮特性」の評価方法に関して、より多くの対象者や研究デザインに応用できるように、簡易的かつ正確な方法を新たに考案したいと考えている。現在、いくつかの方法を試しており、候補が絞られている。この新たな方法が確立されることにより、本研究で確立されつつある「骨格筋の質的・機能的変化の評価」の応用可能性が大きく広がると考えている。
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