研究課題
基盤研究(B)
視覚系に外乱を与え、立位制御における視覚情報と運動との関係を反映した内部モデルがどのように修正されるのかを検討した。足圧中心位置が実際の足圧中心位置から反時計回りに回転するような回転外乱を用いた。視覚外乱により立位は不安定になり、外乱が消失しても立位は回転とは逆方向に傾いた。これら結果より、視覚運動変換の修正が立位制御に与える学習効果について明らかになった。
運動制御
ヒトの二足立位は、前庭系・視覚系・体性感覚系の情報をもとにした制御が必要であり、運動学習による影響を明確にするには複雑な課題である。本研究は、立位制御に与える学習効果を検討した初めての研究でありその学術的意義は大きい。高齢者の立位バランスの低下は視覚情報の減退が要因との指摘がある。本研究の結果、立位バランスの不安定さの主因および立位不安定からの改善が明確になり、高齢者の転倒予防の観点からその社会的意義は極めて大きい。