研究課題/領域番号 |
18H03171
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山田 祐一郎 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (60283610)
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研究分担者 |
佐藤 雄大 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40709127)
桑田 仁司 株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所), 糖尿病研究センター先端糖尿病研究部, 部長 (80771469)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 生活習慣病 / 老化 / 消化管ホルモン / 病態栄養学 / 糖代謝 |
研究実績の概要 |
消化管は外界と生体の接点であり、外界から受けた刺激をもとに生体へと情報を発信する。その一つであるGIP (gastric inhibitory polyeptide) は食事の刺激を受けて消化管から分泌され膵β細胞に作用しインスリン値を上昇させるだけではなく、脂肪細胞に作用し、脂肪蓄積を促進することを申請者は示してきた。GIP受容体欠損マウスを長期飼育すると、野生型の寿命の中央値が806日であるのに対し、917日と有意に増加していた。また、行動をオープンフィールド試験や高架式十字迷路試験で評価すると、立ち上がり動作が多いやオープンアームの滞在時間が長いなど、新奇性が高いことがわかった。また、トレッドミル試験でも運動耐性の低下はなく、骨格筋を評価しても野生型とほぼ同様であり、サルコペニアなどの変化はないことが確認された。このように、GIPシグナルを抑制することは寿命延長・活動量増加など、エネルギー制限マウスと同様の表現型を示しながら、食餌摂取量は減少せず、筋肉量も保持されることから、飽食の時代にGIPシグナルを抑制する意義が明らかとなった。現在、栄養療法でGIPを抑制することで、同様な表現型を呈するか、検討している。栄養療法として、GIPシグナルを抑制する方法には、resistant starchや食物繊維を用いて上部小腸での単糖吸収を抑制することを考え、インクレチン濃度を測定しながら、飼育を介している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していたように、遺伝的にGIPシグナルを欠損することでGIPシグナルを抑制する意義を確認できたので、今後、GIPシグナルを抑制する食餌(resistant starchなど)の意義を解明する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進捗しているので、今後もGIPシグナルを抑制する食餌について、resistant starchなどを用いて、遺伝的にGIPシグナルを欠如したマウス、あるいは、薬理学的にGIPシグナルを遮断したマウスと、表現型を評価する方針である。
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