ヒトや動物の摂食にはさまざまな生理的制御があり、摂食量は適切に制御される。しかしながら、多くの現代人では過剰摂取とそれに起因する肥満が蔓延している。過剰摂取には心理社会的要因があると示唆されているが、生物学的・神経科学的な要因についてはまだ不明な点が多い。そこで、摂食パターンの操作によってショ糖の過剰摂取を行うように訓練されたマウスにおいて、摂食抑制作用を有する消化管ホルモンの分泌動態を計測し、また、消化管刺激や消化管ホルモンへの脳反応を免疫組織化学的手法で分析した。その結果、ショ糖過剰摂取の状態では、消化管ホルモンの分泌や消化管からのシグナルへの脳応答が変容するという可能性が示唆された。
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