研究課題
我が国は超高齢社会に突入し、介護予防に対する取り組みが急務である。しかしながら、介護の原因となる疾患は認知症から動脈硬化症、関節疾患と多岐に渡っており、集約的な予防法は未だ提示されていない。この点に関して、近年、骨格筋の「量」と「質(代謝機能)」それぞれの低下が様々な介護原因疾患を引き起こしている可能性が明らかとなってきているが、因果関係を含め、まだ多くの不明な点が残されている。そこで本研究においては、無作為に抽出した65歳以上85歳未満の高齢者を対象として、骨格筋量や筋代謝能を測定する他、認知機能、脳MRI、動脈硬化、関節機能、SNPs、生活習慣などを網羅的に調査する横断研究を行うとともに、因果関係を探るための縦断研究を行う。本年度は、無作為に抽出した65歳以上85歳未満の高齢者を対象として高齢者の筋力と無症候性脳梗塞(SLI)の関係を調査した。被験者の平均年齢は73.0±5.4歳で、58.9%が女性であった。 SLIの有病率は16.4%であり、筋力と逆相関していた(High12.3%、Mid 17.7%、Low 19.3%、p for 0.003)。 多変量調整後、SLIのオッズ比は高グループと比較してMidとLowグループで増加した(High、1.00 (リファレンス)、Mid、1.42 [95%信頼区間:0.98-2.04]、Low、1.48 [1.02-2.14])。このように、膝伸筋力の低下は、他の危険因子と独立して、日本人高齢者のSLIに関連していることが明らかとなった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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JCSM Clinical Reports
巻: 5 ページ: 79-85
10.1002/crt2.24
https://research-center.juntendo.ac.jp/sportology/research/bunkyo/