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2020 年度 実績報告書

脂肪酸組成制御による2型糖尿病発症抑制の分子基盤の解明と予防・治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18H03189
研究機関筑波大学

研究代表者

松坂 賢  筑波大学, 医学医療系, 教授 (70400679)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードカルジオリピン / ミトコンドリア
研究実績の概要

本研究では、ステアリン酸(C18:0)への伸長を触媒する酵素Elovl6のコンディショナルノックアウトマウスを用いて、肝臓および膵β細胞におけるElovl6の生理的意義とインスリン感受性、インスリン分泌能における役割を分子レベルで明らかにし、脂肪酸の質の制御による2型糖尿病の新規予防法・治療法の開発に資する知見を得ることを目標とした。
昨年度までに、Elovl6の肝臓における役割を明らかにするために肝臓特異的Elovl6欠損(LKO)マウスを作製し、肝臓におけるElovl6の欠損はC18:0-セラミドを減少させることにより脂肪肝にともなうインスリン抵抗性を改善することを報告した(Hepatology 71(5):1609, 2020.)。さらに、肥満モデル動物であるob/obマウスと肝臓特異的Elovl6欠損マウスのダブルミュータントマウス(ob/ob-LKO)の肝臓をサンプルにリピドミクス解析を実施し、ob/obマウスに比べてob/ob-LKOマウスの肝臓ではミトコンドリア固有のリン脂質であるカルジオリピンが顕著に増加していることを新たに発見した。さらに、ob/ob-LKOマウスの肝臓ではミトコンドリアの形態と機能が改善することを明らかにした。
また、膵β細胞特異的Elovl6欠損マウス(βKOマウス)の解析により、標準食または高脂肪食の給餌ではコントロールマウスとβKOマウスの血糖コントロールやインスリン分泌能、膵ラ氏島の形態に差は認められないが、2型糖尿病モデルdb/dbマウスとβKOマウスのダブルミュータント(db/db-βKOマウス)は、db/dbマウスに比べて血中インスリン値が増加し、血糖値、HbA1c値が低下した。この変化と一致して、db/db-βKOマウスでは膵β細胞量の増大とラ氏島の大きさおよび数の増加が認められた。このようなdb/db-βKOマウスの表現型はdb/db-KOマウスの表現型と同様であることから、Elovl6の欠損による2型糖尿病の改善には膵β細胞のElovl6の阻害が重要であると考えられる。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Enterohepatic Transcription Factor CREB3L3 Protects Atherosclerosis via SREBP Competitive Inhibition2021

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa Yoshimi、Wang Yunong、Han Song-iee、Okuda Kanako、Oishi Asayo、Yagishita Yuka、Kumagai Kae、Ohno Hiroshi、Osaki Yoshinori、Mizunoe Yuhei、Araki Masaya、Murayama Yuki、Iwasaki Hitoshi、Konishi Morichika、Itoh Nobuyuki、Matsuzaka Takashi、Sone Hirohito、Yamada Nobuhiro、Shimano Hitoshi
    • 雑誌名

      Cellular and Molecular Gastroenterology and Hepatology

      巻: 11 ページ: 949~971

    • DOI

      10.1016/j.jcmgh.2020.11.004

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Role of fatty acid elongase Elovl6 in the regulation of energy metabolism and pathophysiological significance in diabetes2020

    • 著者名/発表者名
      Matsuzaka Takashi
    • 雑誌名

      Diabetology International

      巻: 12 ページ: 68~73

    • DOI

      10.1007/s13340-020-00481-3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Oxidative stress and Liver X Receptor agonist induce hepatocellular carcinoma in Non‐alcoholic steatohepatitis model2020

    • 著者名/発表者名
      Shimizu Yoshio、Tamura Takafumi、Kemmochi Akira、Owada Yohei、Ozawa Yusuke、Hisakura Katsuji、Matsuzaka Takashi、Shimano Hitoshi、Nakano Noriyuki、Sakashita Shingo、Oda Tatsuya、Ohkohchi Nobuhiro
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology and Hepatology

      巻: 36 ページ: 800~810

    • DOI

      10.1111/jgh.15239

  • [雑誌論文] New perspective on type?2 diabetes, dyslipidemia and non‐alcoholic fatty liver disease2020

    • 著者名/発表者名
      Matsuzaka Takashi、Shimano Hitoshi
    • 雑誌名

      Journal of Diabetes Investigation

      巻: 11 ページ: 532~534

    • DOI

      10.1111/jdi.13258

  • [学会発表] 脂肪酸伸長酵素Elovl6による脂肪酸の質の制御と生活習慣病2021

    • 著者名/発表者名
      松坂 賢
    • 学会等名
      日本薬学会第141年会
    • 招待講演
  • [学会発表] セラミドの脂肪酸鎖長によるインスリン感受性制御機構と血中脂質2020

    • 著者名/発表者名
      松坂 賢、島野 仁
    • 学会等名
      第62回 日本脂質生化学会
    • 招待講演
  • [学会発表] セラミドの脂肪酸分子種によるプロテインホスファターゼ2Aの活性制御機構:脂肪酸伸長酵素Elovl6の重要性とインスリン感受性における意義2020

    • 著者名/発表者名
      松坂 賢、島野 仁
    • 学会等名
      第93回日本生化学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 肝臓特異的Elovl6欠損マウスの肝臓ではC18-ceramideが減少することによりインスリン感受性が亢進する2020

    • 著者名/発表者名
      松坂賢、久芳素子、小安さおり、本村香織、大野博、Sharma R、武内謙憲、矢作直也、宮本崇史、関谷元博、中川嘉、島野 仁
    • 学会等名
      第93回日本内分泌学会学術総会
  • [学会発表] 肝臓特異的Elovl6欠損マウスの肝臓ではC18-ceramideが減少することによりインスリン感受性が亢進する2020

    • 著者名/発表者名
      松坂賢、久芳素子、小安さおり、本村香織、大野博、Sharma R、武内謙憲、矢作直也、宮本崇史、関谷元博、中川嘉、島野 仁
    • 学会等名
      第63回日本糖尿病学会年次学術集会
  • [学会発表] Identification and Characterization of MicroRNA(s) that Regulates ELOVL62020

    • 著者名/発表者名
      Nurani Istiqamah, Takashi Matsuzaka, Hitoshi Shimano
    • 学会等名
      Tsukuba Global Science Week (TGSW) 2020
    • 国際学会
  • [備考] 筑波大学医学医療系松坂研究室

    • URL

      https://sites.google.com/view/matsuzakalab-tsukuba/home

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公開日: 2021-12-27  

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