研究課題
平日と休日の生活リズムに数時間のずれが生じ、平日の生活リズムと体内時計に不調和が起こった状態の「社会的時差ボケ」は、肥満や代謝異常のリスク因子の一つである。しかし、日本人において社会的時差ボケが肥満や代謝異常に及ぼす影響は不明であり、その解消法も確立されていない。本年度は、日本人の中高齢者を対象として、社会的時差ボケと肥満および代謝異常との関連を明らかにするための横断研究の実施に向け、昨年度までに収集したデータの整備を行った。また、潜在的交絡因子の1つであるクロノタイプ(朝型・中間型・夜型の生活リズム)が、本研究の対象集団において肥満や代謝異常と関連するかどうかを検討した。対象者は、大学卒業生を対象とするコホート研究に参加した中高齢男女937名とした。2017年度までに対象者から得られた起床・就寝時刻に関する調査票についてデータ整備を行い、連続した7日間の睡眠時間と睡眠中央時刻を求めた。平日と休日における睡眠中央時刻の平均値をそれぞれ求め、それらの差を社会的時差ボケを評価する変数とした。同様に、朝型夜型質問紙により評価したクロノタイプのデータ整備も行った。本研究の対象者におけるクロノタイプの分布は、朝型472名、中間型430名、夜型35名であった。クロノタイプと肥満、脂質異常症および空腹時血糖異常との関連を調べたが、いずれのアウトカムとも有意な関連は認められなかった。これらの結果は先行研究の報告とは異なるが、本研究の対象者においては夜型の者が少なく統計学的検出力が低かったことが、関連が認められなかった原因の1つとして考えられる。
3: やや遅れている
起床・就寝時刻のデータ整備に時間を要し、当初予定していた社会的時差ボケと肥満・代謝異常との関連の解析までには至らなかったため。
疫学を専門とする研究者の協力のもと、社会的時差ボケと肥満・代謝異常との関連に関する横断研究のデータ解析を早急に進める。研究補助者を雇用し、2年目に予定している観察研究の準備を並行して進める。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 5件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (3件)
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