研究課題
一過性の社会的時差ボケが血中の糖・脂質代謝指標および24時間血糖値に及ぼす影響を明らかにするため、クロスオーバー試験を行った。19名の若年男性を対象とし、介入開始前の1週間、ウェアラブルデバイス(Fitbit)を用いて普段の起床・就寝時刻および睡眠時間を調査した。対象者をランダムに社会的時差ボケ(SJL)条件とコントロール(CON)条件に振り分け、金曜日の午前中に空腹時採血を実施した。その後、SJL条件の者は、金曜日の夜から日曜日の朝にかけて、普段の起床・就寝時刻より3時間遅い時刻に起床・就寝した。CON条件の者は、金曜日の夜から日曜日の朝にかけて、平日と同じ時刻に起床・就寝した。月曜日の午前中に再度空腹時採血を行った後、SJL条件とCON条件を入れ替え、同様の介入を行った。空腹時採血により得られた血液を用いて、グルコース、インスリン、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の血中濃度を測定した。また、介入期間中、対象者は24時間持続血糖測定器を装着し、金曜日と月曜日の24時間血糖値の曲線下面積を求めた。SJL条件において平日との睡眠中央時刻(起床・就寝時刻の中央値)が2時間未満であった4名を除外し、15名を解析に含めた。睡眠中央時刻はSJL条件において平均で3時間1分後退し、CON条件においては平均で8分後退した。睡眠時間に条件間で差は認めらなかった。条件(SJL vs CON)と時間(金曜日 vs 月曜日)を因子とした二元配置分散分析の結果、いずれの項目においても有意な交互作用は認められなかった。以上の結果より、一過性の社会的時差ボケは血中の糖・脂質代謝指標および24時間血糖値に影響を及ぼさない可能性が示唆された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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