令和2年度中にコロナ禍により大きな影響を受けたため、計画の大部分を令和3年度中に実施することとなった。特に、先に中止となった研究員の採用・来日は、繰越後の令和3年度の秋に実現した。博士号取得直後の若手研究者である朴世原氏(研究課題「高階函数の保証つき厳密計算に関する研究」)、リッカルド・ゴッツィ氏(研究課題「複素函数の計算可能解析に関する研究」)を採用し、共同研究を行った。それぞれ一定の成果が得られつつあり、論文としては次年度に発表を目指している。また両研究員が来てからは、京都大学内で定期的に人間・環境学研究科のグループと協力して「計算可能解析セミナー」を開催し、議論を深めている。連続系計算のプログラム言語と形式的検証に関する新たな課題が明らかになったため、令和4年度にはこのグループから分担者を加えて共同研究をする計画である。現時点までの結果の一部は、令和3年度末に遠隔開催された日露ワークショップで発表した。
またこの期間に研究代表者は関連する国際研究活動として、第14回「到達可能性問題国際会議」(RP 2020)プログラム委員、第4回「数理論理学とその応用」研究集会(MLA 2021)プログラム委員、第18回「解析学における計算可能性と計算量に関する国際会議」(CCA 2021)、第33回「カナダ計算幾何会議」(CCCG 2021)のプログラム委員を務めた。
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