研究課題/領域番号 |
18H03213
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池辺 将之 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (20374613)
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研究分担者 |
高前田 伸也 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (60738897)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 深層畳み込みニューラルネットワー / 有用画像処理 / 局所適応型輝度補正技術 / FPGA実装 |
研究実績の概要 |
DCNN⇔位相相関限定法の関連において、医療用画像を主体に解析を行った。DCNN(カスコード型U-netを使用)では、回転・シフト・変形にまで対応するマップを作成できるが、もう一段階のマップ理解のネットが必要であることがわかった。位相相関限定法では、シフト量を直接数値化し、回転・変形量を雑音量として出力できることがわかった。
また、本研究で研究沿進めてきた局所輝度補正手法において、主・客観評価を行ったところ、本手法が人間の錯視を模倣すること、これに局所領域を大きさが関係し、他手法では大きな局所領域で画像破たんするが、本手法では自然な画像出力を保つことを示した。また、放射線科医による評価で、本手法の少ないパラメータによる制御が極めて有効であると示された。
局所輝度補正用DCNNと相互変換する場合、大サイズの領域指定を実現するため初期層において5層以上のレイヤーを消費することがわかり、初期層のDCNN入れ替えは適さないことがわかった。低解像度化した画像に対するDCNNを並列に配置し、空間物体の識別と本手法の輝度補正関数におけるローカル関数用の空間制御とグローバル制御パラメータを操作することが適当との判断を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
位相相関限定法とDCNNの役割分担、計算量およびネットサイズが明確化された。また、輝度補正技術において、人間の錯視とカーネルサイズの関係、そして放射線科医による画像処理の効果の検証が順調に進んだ。錯視は、空間フィルタよりも、空間輝度統計量に基づく処理が適当である。DCNNで輝度統計量を扱う場合、複数の1x1レイヤー処理を広範囲に行う必要がある。局所輝度補正用DCNNと相互変換する場合、大サイズの領域指定を実現するため初期層において5層以上のレイヤーを消費することがわかり、初期層のDCNN入れ替えは適さないことがわかった。低解像度化した画像に対するDCNNを並列に配置し、空間物体の識別と本手法の輝度補正関数におけるローカル関数用の空間制御とグローバル制御パラメータを操作することが適当との判断を得た。
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今後の研究の推進方策 |
センサ融合処理システムへの相互変換の適用と実装(池辺,高前田,D,M) 目標は、高ダイナミックレンジ(医療・監視)/マルチスペクトル(農業・ドローン)/ 高速撮像(工業・ロボット)センサとの融合を考える。DCNNの前段部の機能を相互変換し低メモリかつ低電力な処理モジュールへの置きかえを徹底的に検証する(各層レベルの切り分け,解像度,メモリ,面積と電力効率)。また、高解像度高効率と低解像度演算効率優先型DCNNとの融合処理を試みる。前者を少ないパラメータで表現し、後者でそれを制御する機構である。
640×480(VGA)解像度・実時間処理を最終目標に,システム最適化を導く手法を解明する。※システム実装の達成が難しい場合は,モジュール単位の実装と変換検証までを最優先する。
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