研究課題/領域番号 |
18H03216
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
合志 清一 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (40500335)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 8K/4K / 内視鏡 / 超解像 / リアルタイム処理 / 非線形信号処理 / フォーカス / 深層学習 |
研究実績の概要 |
本研究成果として論文2編(査読有)、国際会議招待講演1件、国際会議発表7件(全て査読有)、国内口頭発表7件を行った。 申請計画を前倒しして、平成30年度中にフォーカスのずれた8K内視鏡映像の0.02mmの手術用の糸が見える高解像度化手法を考案した。研究成果は昨年度から本年度にかけて国際学会で報告予定である。静止画用の手法としてTotal Variationを用いた高解像度化に成功しており、動画像用の手法として非線形超解像による画質改善に非線形信号処理を用いて正解を上げた。いずれの手法もノイズ低減と解像増度向上という、相反する研究課題を残しているものの今後のパラメータ調整により性能向上が期待できる。 新たに判明した課題としてノイズが上げられる。平成30年の研究により、8K内視鏡映像には予想以上にノイズが多いことも判明した。ノイズは高精細成分と共に高周波成分である。この両者は周波数分離だけでは区分できないので、新たな手法が必要である事も判明した。平成31年度は8K内視鏡におけるノイズの研究も平行して実施することが必要と考えている。 深層学習による解像度向上は、基本プログラムが完成しており、現在、多数の画像を用いた学習を行っている。深層学習による高解像度化も、予定を前倒しし本年度中に完了させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の主眼は、デコンボリューション法と深層学習による8K内視鏡映像の高精細化である。この2項目に関する研究は順調に進んでおり、既に学会発表を行っている。前記2手法に加え、Total Variationによる高解像度化にも成功し、学会発表をおこなった。3カ年の1年目から数多くの学会発表を行っていることは、計画以上に研究が進んでいるこのと証明でもある。 研究計画時に予想していなかった課題として、8K内視鏡映像には予想以上にノイズが多いと言う問題が発覚した。ノイズは照明照度を高くすれば低減する。しかし、高輝度照明は熱を伴う。内視鏡の使用目的から、人体内で高輝度照明を行うと、発熱により臓器を損傷する危険性がある。このため、ノイズ低減は信号処理により対応することが望ましい。この課題には昨年来取り組んでおり、ノイズレベルの低減アルゴリズムのシミュレーションを行っており、本年度内で学会発表の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究は予定以上に進捗しており、これまでの研究遂行に問題は無い。今後もこれまで通りに研究を進める。新たな課題となったノイズに関しても方向性が確定しており、リアルタイム処理可能なアルゴリズム開発を行う予定である。
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