研究課題/領域番号 |
18H03227
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
加藤 寧 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00236168)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 光通信 / 無線通信 / IoT / ネットワーク融合 / プロトコル |
研究実績の概要 |
本研究では3つの課題に取り組む.一つ目の課題1では動的設計理論の確立を行う.ここでは,本研究の核心となる動的設計理論を構築するために欠かすことのできない2つの機能(要求特性推定モデルと供給能力推定モデル)に関して研究を実施する.続いて,二つ目の課題2では状況変化適応型FiWiシステムの知的制御エンジン設計を行う.課題1 で確立した動的設計理論をFiWiシステムに適用し,知的制御エンジンを設計する.知的制御エンジンの目的は,サービス毎・通信基地局毎に,推定した通信要求特性を基に通信エリア全体の通信端末のサービス品質を安定的に満足するための周波数・機能構成を決定することである.本研究では,敢えて光か無線を区別せずにシステム全体最適の観点から周波数・機能構成を決定し,それから各物理特性を考慮して各々の制御機能を改善する.また,周波数利用効率が最大となる周波数・機能構成の組み合わせを探索することで,予備的な周波数リソースを確保することが可能となり,突発的に発生する通信要求の増加,供給能力の低下に対するロバスト性を飛躍的に向上できる.最後に課題3では実証実験を行う.実験用システムを用いて動的設計理論と知的制御エンジンの高度化と最適化のための研究を実施する.通信トラヒックを疑似的に発生可能なエミュレータを用いて,多種多様な端末・サービスが高密度に配置された環境を構築する.はじめは小規模な実験で提案技術の有効性を検証し,それから実験規模を拡大していくことで様々なスケールに適応可能な技術を開発していく. H30年度は課題1に取り組み,動的設計理論の確立に関する検討を行った.繰り越し分の取り組み内容としてR1年度は,動的設計理論を適用した上で状況変化適応型FiWi システムの知的制御エンジン設計を行うため,課題1の再検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,当初の計画通り,課題1の動的設計理論の検討を行った.次年度の研究に関しても検討を進めており,本研究はおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は課題3に取り組む.課題3では課題1と課題2で確立した実験用システムを用いて動的設計理論と知的制御エンジンの高度化と最適化のための研究を実施する.そのため,課題1や課題2の検討を基に,課題3に取り組む予定である.性能評価を行う場合は,ネットワークシミュレーションを用いた実験によって行うこととする. 昨年に引き続き,提案手法をネットワークシミュレータに実装する際のプログラミング等の作業,パラメータや環境設定を変更して繰り返し行う実験の補助並びに,実験データの整理などでは,大学院生等を動員する.また,各種学会等での研究成果の発表資料や,論文誌等へ投稿する原稿等の作成も大学院生と共同で行う.
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