研究課題/領域番号 |
18H03231
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
猿渡 俊介 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50507811)
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研究分担者 |
衣斐 信介 同志社大学, 理工学部, 准教授 (10448087)
五十嵐 浩司 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (80436534)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | SDN / RoF / 無線通信 / 光ファイバ伝送 / SDR |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、 8K映像伝送やIoTなど大容量さと多様さをが求められる将来において、広帯域大容量伝送と狭帯域低遅延伝送を同時に実現可能なワイヤレスアクセスネットワークアーキテクチャを実現することである。これに向けて、本研究では、ソフトウェア定義光ファイバ無線 (SD-RoF: Software Defined Radio-on-Fiber)を用いたワイヤレスアクセスネットワークの実現を目指している。 SD-RoFとは、既存のRoFにおいて固定的であったアンテナと無線送受信器との関係をソフトウェア的に自由自在に制御可能としたものである。これに向けて本研究では1. SD-RoFを用いたワイヤレスアクセスネットワーク基盤、2. SD-RoFを用いた光無線統合MIMO伝送、3. SD-RoFを用いた光無線信号パススルーの3つに取り組んでいる。1. SD-RoFを用いたワイヤレスアクセスネットワーク基盤では、電気合波回路を用いたソフトウェア定義RoFネットワーク技術を提案し、解析的な評価を行った。2. SD-RoFを用いた光無線統合MIMO伝送では、光と無線の両方から課題の抽出を行っている。3. SD-RoFを用いた光無線信号パススルーでは、広帯域伝送に関する実験を進め、1つ課題があることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
理由は2点ある。1つ目は、「1. SD-RoFを用いたワイヤレスアクセスネットワーク基盤」の成果である。電気合波回路を用いるというアイディアは当初はなく、2019年度の試行錯誤の中で生まれた。特にアクセスネットワークの中継網において電気合波回路を用いることで、光資源の効率が改善できることが確認できた。2つ目は、「3. SD-RoFを用いた光無線信号パススルー」で課題が出てきたことである。当初の計画通りに進んでいれば課題は出てこなかったが、逆に課題が出てこないと工夫のしようがない。今回課題が出てきたことで、「2. SD-RoFを用いた光無線統合MIMO伝送」の重要性が増したという点で前向きにとらえている。
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今後の研究の推進方策 |
「3. SD-RoFを用いた光無線信号パススルー」で課題が出てきたことをふまえて、提案者3名でより密な連携をしていく。ただしコロナウイルスの影響で実験に遅れが生じることが想定されるため、現時点での成果をまとめて論文化の方を先に優先させることも考えている。
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