研究課題/領域番号 |
18H03250
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
櫻井 鉄也 筑波大学, システム情報系, 教授 (60187086)
|
研究分担者 |
今倉 暁 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60610045)
二村 保徳 筑波大学, システム情報系, 助教 (30736210)
保國 惠一 筑波大学, システム情報系, 助教 (90765934)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 固有値解析 / 積分型固有値解法 / 非線形変数変換 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、非線形変数変換に基づく問題の非線形化による積分型固有値解法であるSS法の高性能化手法の開発のため、以下の項目について明らかにする。1)非線形変数変換による固有値解析のための理論基盤、2)数値計算における提案手法の理論的正当化、3)実アプリケーションへの適用と性能の実証。そのため、SS法の指定領域に応じて、対象とする固有値問題の固有値分布を緩和することができるような固有値の非線形変数変換の理論基盤について解明する。また、非線形変数変換によってフィルタ特性が向上することを理論的に明らかにし、非線形変数変換に基づき線形問題を敢えて非線形化する提案法が精度良く真の固有値を近似できることを示す。ナノマテリアルシミュレーション、および原子核シミュレーション等の実問題に対して従来法との性能を比較することで提案手法の優位性を示す。本年度は、前年度に引き続き本手法で帰着させる非線形固有値問題に対して複素モーメントを用いた固有値解法の理論解析とArnoldi型の解法の構築を進めるとともに、本手法の適用対象の一つである特異値分解や低ランク近似の応用として想定される次元削減法や非負値行列分解について解法の開発を行った。大規模スパース行列に対して従来広く用いられている大規模スパース行列向けの解法と性能を比較し、高い性能が得られることが確認された。特に大規模スパース行列が現れるデータ解析や機械学習分野での利用を想定し、ソフトウェア開発を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、昨年度に引き続き本課題が対象とする複素モーメント型の非線形固有値問題の解法の理論解析と性能向上に取り組んだ。また、課題の一つである実応用に向けた解法の開発を進め、データ解析や機械学習で現れる大規模でスパースな行列の特異値分解での性能評価を行った。従来用いられてきた大規模スパース行列の標準的な解法と比べ計算速度の改善が得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
本課題で進捗があった研究成果について引き続き研究を進めるとともに、論文誌や国際会議等での研究成果の発表を行う。また、データ解析や機械学習分野での応用を進める。
|