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2019 年度 実績報告書

時間相関ビジョン―ナノ秒時間相関画像を用いたコンピュータビジョン技術の新展開―

研究課題

研究課題/領域番号 18H03265
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

田中 賢一郎  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60803244)

研究分担者 青砥 隆仁  筑波大学, 図書館情報メディア系, 研究員 (00785462)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードコンピュテーショナルフォトグラフィ
研究実績の概要

従来のコンピュータビジョンの研究は,定常的な2次元画像を入力とすることを前提として進化してきた.しかしながら,定常的な画像は,カメラという計測デバイスの制約によるものにすぎず,シーンの認識・理解に最適なわけではない.本研究では,光の軌跡さえ可視化可能なピコ~ナノ秒単位の超高速な光の過渡応答に基づく画像理解である「時間相関ビジョン」の枠組みを提案し,新しいコンピュータビジョンの潮流を開拓することを目的とする.
本年度は,計算機による演算を前提としたコンピュテーショナルフォトグラフィ(CP)的アプローチで間接的かつ簡便に光の過渡応答を計測するシステムを構築した.演算を前提とした計測は,電子回路の設計による計測システム構築と親和性が非常に高く,光学・撮像系に高い柔軟性と拡張性を持たせることができる.実際に,Time-of-Flight カメラとDMDを組み合わせることで,強度変調を自由自在にコントロールできる計測デバイスを構築した.
また,種々の投光パターンにおける測光を考えた時間相関イメージングモデルを開発し,時間相関イメージングにおける基礎的な画像処理技術の開発を行った.例として、広範囲かつ高精度な測距技術や霧中での鮮明な撮影技術の開発、物体の材質特有の光の過渡応答の計測技術などを開発した。この研究成果は、最高峰論文誌である IEEE TPAMI に採録されるなど、国際的にも高く評価されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

物体特有の光応答の計測に関する研究成果は、最高峰論文誌である IEEE TPAMI に採録されるなどしており、研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

時間情報の計測手法として、SPADカメラやTDCを用いた計測が広まってきており、時間相関計測の深化が期待されている。本研究においても、これらのデバイスを導入し、コンピュータビジョン問題へ適用していく予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Phase Disambiguation Using Spatio-temporally Modulated Illumination in Depth Sensing2020

    • 著者名/発表者名
      T. Kushida, K. Tanaka, T. Aoto, T. Funatomi, Y. Mukaigawa
    • 雑誌名

      IPSJ Trans. on Computer Vision and Applications

      巻: EA ページ: 1-14

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Time-resolved Far Infrared Light Transport for Thermal Photometric Stereo2019

    • 著者名/発表者名
      K. Tanaka, Nobuhiro Ikeya, Tsuyoshi Takatani, H. Kubo, T. Funatomi, V. Ravi, A. Kadambi, Y. Mukaigawa
    • 雑誌名

      IEEE Transaction on Pattern Analysis and Machine Intelligence

      巻: EA ページ: 1-12

    • DOI

      https://doi.org/10.1109/TPAMI.2019.2959304

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Thermal Non-Line-of-Sight Imaging from Specular and Diffuse Reflections2019

    • 著者名/発表者名
      M. Kaga, T. Kushida, T. Takatani, K. Tanaka, T. Funatomi, Y. Mukaigawa
    • 雑誌名

      IPSJ Trans. on Computer Vision and Applications

      巻: 11 ページ: 1-5

    • DOI

      https://doi.org/10.1186/s41074-019-0060-4

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Depth from Phasor Distortions in Fog2019

    • 著者名/発表者名
      T. Muraji, K. Tanaka, T. Funatomi, Y. Mukaigawa
    • 雑誌名

      OSA Optics Express

      巻: 27 ページ: 1-6

    • DOI

      https://doi.org/10.1364/OE.27.018858

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 変調照明を用いた距離計測における時間領域と空間領域の位相の組み合わせによる曖昧性の解消2020

    • 著者名/発表者名
      櫛田貴弘,田中賢一郎,青砥隆仁,舩冨卓哉,向川康博
    • 学会等名
      情処研報 CVIM 220
  • [学会発表] Spatio-temporal Phase Disambiguation in Depth Sensing2019

    • 著者名/発表者名
      T. Kushida, K. Tanaka, T. Aoto, T. Funatomi, Y. Mukaigawa
    • 学会等名
      The IEEE International Conference on Computational Photography
    • 国際学会
  • [学会発表] 単一光子検出器を用いた光の高時間分解能計測による材質の分類2019

    • 著者名/発表者名
      北島大夢,北野和哉,櫛田貴弘,田中賢一郎,久保尋之,舩冨卓哉,向川康博
    • 学会等名
      情処研報 CVIM 219
  • [図書] 自動運転拡大に求められるセンシング技術 ~センサ・部材設計開発/データ処理技術/実用化に向けた各社動向~2019

    • 著者名/発表者名
      中條博則 他17名
    • 総ページ数
      188
    • 出版者
      JOHOKIKO
    • ISBN
      978-4-86502-170-7

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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