電源電圧を下げることで消費電力を抑えつつ、電源電圧降下による誤動作をノイズ注入により回復可能な「確率共鳴(SR)NANDゲート」に関する研究を行った。基本構造は、フローティングゲート構造を用いた多入力インバータをを二つ組み合わせたラッチであり、このラッチにノイズを与えてSRを誘引する。このラッチの状態遷移の閾特性を利用して閾論理回路を構築した。通常、フローティングゲートの容量を対地容量より大きくしなければ閾論理回路は構成できないが、ラッチ構造によりフローティングゲート入力の僅かな電圧差が増幅され出力に現われるため、入力の振幅とFG-INVの閾値のバラツキを緩和できる。
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