研究課題/領域番号 |
18H03304
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森田 昌彦 筑波大学, システム情報系, 教授 (00222349)
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研究分担者 |
井澤 淳 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20582349)
川崎 真弘 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40513370)
堀江 和正 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (60817112)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ホワイトボックス機械学習 / 浅層ニューラルネット / 脳波解析 / 脳情報処理 |
研究実績の概要 |
・研究代表者らが開発した浅層ニューラルネットの一種である選択的不感化ニューラルネット(SDNN)を用いてパターン分類を行った場合,個々の入力に対する判断根拠がわかるだけでなく,その判断の信頼性もある程度推測できることがわかった. ・昨年度開発したSDNNによる脳波解析手法を用いると,予測精度とうつ傾向の強さとがかなり高い相関を示す場合があることを発見した.分析を進めた結果,これまで全く知られていなかった,うつ傾向と強く関係する脳波特徴量をいくつか得ることができた.また,この成果に関する検証実験を行うための準備作業を行った. ・注意欠陥多動性障害の行動の定常性に関する脳波リズムと行動特性の関係性を明らかにした.また人が諦めるという行動を意思決定する際に増加する脳波リズムを脳磁気刺激で誘発すると諦め行動が変化することを特定した. ・身体運動学習における冗長性と意識の問題を計算論的に明らかにするために,日常では経験しないような冗長性を含む学習課題をヒトに対して実施し,探索運動を制御することが学習にとって重要であることを明らかにした.また,運動学習に伴う自己意識の回復過程を状態空間モデルでモデル化し,自己意識回復のダイナミクスを捉えた. ・SDNNを容易に実装・利用できる環境を提供するライブラリLIBSDNN について,令和2年度に続きversion2.0の開発を進めた.SIMD命令導入による高速化やJsonファイルを通じたハイパパラメータの読み込み機能を追加したうえで,令和4年度の公開を目指している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した研究の一部がまだ論文発表に至っていない一方,うつ病の早期診断につながる脳波解析結果など,当初計画に含まれていなかった大きな成果も得られている.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた成果の論文化を進めるとともに,うつ傾向と脳波の関係について二種類の検証実験を実施する.
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