研究課題/領域番号 |
18H03308
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
谷口 忠大 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80512251)
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研究分担者 |
萩原 良信 立命館大学, 情報理工学部, 講師 (20609416)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 機械学習 / 深層学習 / 確率的生成モデル / 認知アーキテクチャ / 自己組織化 |
研究実績の概要 |
実世界の経験から言語を獲得する知能を実現するためには,分散開発が効率的に可能であり,再統合後に自己組織的な環境適応が可能となる認知アーキテクチャをいかにして作るか?という「問い」に答える必要がある.本研究では,確率的生成モデルと深層学習の双対的関係に着目し,それぞれの長所を活用可能な自己組織型認知アーキテクチャの分散開発フレームワークを確率モデルの理論的基盤の上で提案し,その有効性を示すことを目指して研究を行ってきた.以下の項目に基づいて研究を進めてきている. 1. 確率的生成モデルと深層学習の双対的関係を活用した教師なし学習モジュールの開発 2. 自己組織型認知アーキテクチャの分散開発フレームワークの構築:(2-A) 信念伝播に基づく生成モデルの分割法の定式化,(2-B) 双対的関係に着目した開発フ レームワークの定式化,(2-C) フレームワークに基づく統合的認知アーキテクチャの開発 3. 自己組織型認知アーキテクチャの実ロボットへの実装と実世界タスクによる検証 本年度では,2.に関して研究開発を大きく進めることができた.具体的にはニューラルネットワークに基づく深層生成モデルや従来の確率的生成モデル(混合モデルなど)を異種混合して全体最適化を行うフレームワークであるNeuro-SERKETを提案し,学術論文として発表した.また,知能ロボティクスの国際会議であるIROSでWorkshopを主催し国際的な議論を深めた.また,3.に関して2.の実応用として,言語獲得ロボット,及び,場所概念を学習するロボットにおいて実証的な研究事例を作ってきている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の最も重要な要素である認知アーキテクチャを構築するためのフレームワークに関して基礎的な理論の構築と,その実験的検証を終えることができたため.
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今後の研究の推進方策 |
以下の各項目を推進していく. 1. 確率的生成モデルと深層学習の双対的関係を活用した教師なし学習モジュールの開発 2. 自己組織型認知アーキテクチャの分散開発フレームワークの構築:(2-A) 信念伝播に基づく生成モデルの分割法の定式化,(2-B) 双対的関係に着目した開発フ レームワークの定式化,(2-C) フレームワークに基づく統合的認知アーキテクチャの開発 3. 自己組織型認知アーキテクチャの実ロボットへの実装と実世界タスクによる検証 特に,深層生成モデルに基づく認知アーキテクチャ実現事例の構築をより重点的に推進していく.また,敵対的生成ネットワークも含んだシステム構築の可能性を探索していく.
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