研究課題/領域番号 |
18H03309
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山下 淳 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30334957)
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研究分担者 |
淺間 一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50184156)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Structure from Motion / スケール復元 / 3次元復元 / コンピュータビジョン / 光の屈折 |
研究実績の概要 |
本研究では,光の屈折現象を利用することにより,スケール復元可能なStructure from Motion(以下,SfM)を新規に構築することを目的とする.SfMは1台のカメラを移動させながら取得した画像のみを用いて,3次元計測を行う手法である.従来のSfMは,計測対象の3次元座標と同時に,カメラの移動情報,すなわちカメラの回転と並進移動の方向を推定する.一方で,カメラの並進移動の大きさ(スケール)を算出することはできない. 本研究では,ハードウェアとソフトウェアの両方に関してそれぞれ新規な手法を提案し,片方のみでは実現困難なスケール復元の問題を解決する.前者については,スケール復元に必要な情報を取得画像に付与するため,カメラに光学的な工夫を施して光を屈折させる.後者については,ロバストかつ高精度にスケールを復元するため,屈折現象を考慮した新しい多視点幾何学・計算幾何学の理論を構築する. 具体的には,レンズの前面に透明板を設置したカメラを移動させることのみで,2次元画像とシーンの3次元情報を同時に取得する方法を確立することを目的とする.そこで,(1) スケール復元可能なSfM手法の基本原理の確立,(2) 2視点画像を用いた3次元計測手法の確立,(3) 複数視点画像を用いた3次元計測の確立,の順に研究を進め,スケール復元可能なStructure from Motionを新規に構築する. 本年度は,(1) スケール復元可能なSfM手法の基本原理の確立を行った. 具体的には,カメラの前に透明な平板を配置して画像を取得することを考える.これにより,屈折が発生しカメラに入射する光線が変化する.屈折の効果は,カメラと計測対象の位置によって異なるため,前述の大きさの不定性が解消され,計測対象のスケールも算出可能となる.本原理の定式化を行い,計測の基本原理の確立を図った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) スケール復元可能なSfM手法の基本原理の確立,(2) 2視点画像を用いた3次元計測手法の確立,(3) 複数視点画像を用いた3次元計測の確立,の順に研究を進める計画に対して,(1)の内容を構築することができたため,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
(1) スケール復元可能なSfM手法の基本原理の確立,(2) 2視点画像を用いた3次元計測手法の確立,(3) 複数視点画像を用いた3次元計測の確立,の順に研究を進める計画に対して,(1)の内容を発展させ,(2)および(3)の内容を構築することを目指す.
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