研究課題/領域番号 |
18H03314
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
野間 春生 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (00374108)
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研究分担者 |
東山 篤規 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (00118001)
佐藤 克成 奈良女子大学, 生活環境科学系, 講師 (00708381)
北川 章夫 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (10214785)
秋田 純一 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (10303265)
杉山 治 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (40586038)
寒川 雅之 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70403128)
松村 耕平 立命館大学, 情報理工学部, 任期制講師 (80629600)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 機械触覚 / 触覚識別モデル / 強化学習 / MEMS / 触覚センサ |
研究実績の概要 |
2019年度は以下の三つの研究を実施した 研究課題 1:”強化学習による機械触覚による物体識別のためのなぞり動作の研究”として、野間,松村、杉山が担当し、ステージモデルによる物体識別のための機械学習の研究を展開し、触覚センサアレイから得られる時系列の計測結果を入力とした素材識別のための強化学習モデルを構築した。強化学習を用いない場合と比較して、識別率で6%の向上を達成できた。 研究課題 2:”機械触覚のための触覚センサアレイ研究”として、寒川、奥山が、触覚センサアレイの研究を実施して、後年度の研究に利用可 能な12素子のセンサアレイと信号処理回路の試作、並びに、従来問題となっていた信号・ノイズ比の改善の可能性を確認した。この結果を今後のセンサチップの設計に反映する。さらに、秋田、北川が、MEMS素子に実装可能なLSI化を念頭に、従来アナログ出力であった触覚センサ出力をデジタル処理可能な回路の基礎開発を行い、デジタル処理によって周波数変調可能な回路での動作を確認した。 研究課題 3:”ヒトの触覚認識モデルの研究”として、東山,佐藤がヒトのなぞりの分析の研究を実施し、機械触覚の学習に用 いた同様の素材 によるヒトの対象物の素材判別実験を実施した。被験者実験から人が物を触る際の行動に対象物毎に違いが有ることを明らかにした。また、ある対象物を触ったときに認識される項目についても、物体毎の有意差が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度の研究目標において設定した三つの研究テーマ毎に述べる。IV.強化学習による機械によるなぞり動作の学習の研究については、速度要因のみであるが適切な速度の学習を目指したシミュレーションの導入によって,評価尺度とした物体識別精度が向上することを確認できた。V.触覚センサアレイの開発においては、FPGAを用いたデジタル回路によって周波数変調方式での読み取りの確認、並びに、この精度を向上するためのプロセスの改良に成功した。VI.ヒトのなぞりと機械のなぞり比較においては人の独特な動作の検出に成功し、これを翌年度の機械学習の評価の一つとして導入する。以上によって、最終年度である2020年度の研究テーマへの下準備が揃った。
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今後の研究の推進方策 |
本提案の集大成として、H32年度にはVIII.機械とヒトび類似性と差異からみたヒト触覚モデルの考察において、立命館大学と奈良女子大学によって、機械触覚モデルとヒトの触覚モデルの類似性に着目して、機械触覚モデルの拡張を試みる。具体的には、中間特徴量である触知覚属性に着目し、これまでの研究で用いなかった素材、あるいは、物体表面と内部構造をあえて加工した、全く新しい素材を機械触覚モデルに与え、その応答結果と人間の反応を比較する手法などを採る予定である。
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