本年度は,以下の課題を実施した. 電極配線手法:これまで取り組んできた箔押し手法を改良し,12層の積層回路構築に成功した.また,各層の平滑化を行うための表面研磨の機械化を実現したことで,歩留まりが大幅に向上した.その結果,実用上主に使用すると考えられる4層程度の積層回路について,歩留まり率が従来の50%程度から80%程度に大きく改善した. 漆回路の応用:サーモクロミック顔料による色漆を実用化に向けて,ヒーター回路を内蔵したサーモクロミック色漆回路を試作した.その結果,応答性が大きく改善すると共に,ヒーター部の文様化することで色と形を表現できることになり,デザイン性が向上した.また,様々なセンサを組み込んだ漆回路を試作し,正常に動作可能な種類の選別と,それを用いたインタフェース案の提案・実装を試みた.
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